『親王・諸王略傳』久［久明］

「遊義門院御匣局」
藤原朝臣公親［三條］の女子。

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『後愚昧記』應安四年三月十六【歟】日

予【三條公忠】息女【藤原嚴子】（年廿一歳）參　禁裏。是爲宮仕也。去年十月、二品局【日野宣子】（禁裏【後光嚴天皇】御介酌。故日野大納言資名卿女。前右府（實俊公【西園寺】）妾。此腹有息女等。所謂右府（九條【忠基】）室彼隨一也）傳南隣仁瑜法眼（梶井房官）切々示之。當家息女等、如此官【宮カ】仕、後深草院御時、公親公【三條】息女【藤原房子】（[後]深草院御愛物。式部卿久明親王母）奉公之後、無其儀之上、旁不庶幾事也。仍固難可辭退。家門窮困失爲方之上、既年齢長大、進退惟谷。仍令領状了。

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『實躬卿記』正安四年七月廿七日（己未）

丑刻春日萬里小路女房二品局【藤原房子】里（【傍注】春日南萬里小路西。隆行卿【藤原】舊跡）炎上出來。･････女房二品局（將軍【久明親王】母儀。三條前内府【公親】女）

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『帝王編年記』二十五「（第八十九代）後深草院」皇子「久明親王」

式部卿。一品。母内大臣公親公女。征夷大將軍。

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東山御文庫本『一代要記』四、「後深草天皇」の皇子「久明親王」

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群書類從本『皇胤紹運録』「（第八十八）後深草院」の子「久明親王」

一品。式部卿。征夷大將軍。母從二位房子、公親公女。

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『尊卑分脈』（後深草源氏）「後深草院」の子「久明親王」

征夷大將軍。一品。式部卿」「母、從二位房子、内大臣公親公女。

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『尊卑分脈』「公季公孫（三條）」、「（内大臣）公親」の女子「房子」

【尻付】從二位。一品式部卿久明親王母。遊義門院皇后宮御匣。
【左袖書】母　

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建治二年（一二七六）九月十一日生。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

建治二年九月十一日誕生。

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正應二年（一二八九）十月一日、親王宣下。

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『勘仲記』正應二年十月一日丁未

有立親王儀。仲親奉行。･････職事（仲親）。下御名字（從三位淸長卿擇申。高檀紙一枚書之。久明二字許也）。上卿（【右傍注】三條大納言）結申之時、爲親王ヨ。

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『帝王編年記』正應二年十月一日

親王宣下（一院皇子久明）。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

正應二年十月一日、立親王。

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正應二年（一二八九）十月六日、元服。三品に敍される。

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『勘仲記』正應二年十月五日辛亥

今日於仙洞【常盤井殿】有親王【久明】御元服習禮、又御装束始也。･････

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『勘仲記』正應二年十月六日壬子

･････先之親王於弘御所令着御装束給･････。次親王令起座給、出自本路入中門北妻戸、經西對代南縁同東面并二棟廊前弘庇等、入寢殿西庇南第一間、自御座後令着給（扶持人如初）。頭中將參進奉仰、召加冠大臣。次内大臣殿令着御前座。次大臣隨御氣色使藏人説春召理髪人。頭中將冬季朝臣參進。大臣伺御氣色仰之。理髪人退歸。次置理髪調度。
　･････
次理髪人（冬季朝臣）着圓座、伺大臣御氣色仰之。次理髪。･････
･････次官宣下云。久明親王宜聽帶劔。上卿召大外記被下知了。外記成宣旨可持參云々。此間予退出。于時半更也。

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『帝王編年記』正應二年十月六日

久明親王、於仙洞有御元服事。令敍三品給。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

同【正應二年十月】六日御元服。

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正應二年（一二八九）十月九日、征夷大將軍となる。

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『勘仲記』正應二年十月九日乙卯

（【傍】親王【久明親王】）今夜被宣下征夷大將軍事。頭中將冬季朝臣奉行。上卿内大臣殿令奉行給。坊門中納言・冷泉宰相・左大辨宰相參陣云々。

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『帝王編年記』正應二年十月九日

三品久明親王、爲征夷大將軍。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

[正應二年]十一【ﾏﾏ】月九日、爲將軍。

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正應二年（一二八九）十月十日、仙洞常盤井殿を出て六波羅に移り、關東に向けて出發する。

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『兼仲卿記』（『勘仲記』）正應二年十月十日丙辰

今曉、征夷大將軍久明親王、自常盤井殿（本院御所）渡御六波羅。･････今日將軍【久明親王】御下向關東。先未明入御六波羅。八葉長物見御車。･････

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『帝王編年記』正應二年十月十日

將軍、自仙洞常磐井殿行啓六波羅。今日御下向關東。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

同【正應二年十月】十日自仙洞渡六波羅北方。同日御出京。

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正應二年（一二八九）十月二十五日、鎌倉に到着。

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『將軍執権次第』「久明親王（三品）」

同【正應二年十月】廿五日、入鎌倉。

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『増鏡』十四「つげの小櫛」

同【正應二年十月】廿五日鎌倉へつかせ給ふにも、御關むかへとて、ゆゝしき武士ども、うちつれてまゐる。宮久明は、きくのとれむじの御輿に御簾あげて、御覽じ習はぬえびすどものうち圍み奉れる、たのもしく見給ふ。･････關の東を、みやこの外とて、おとしむべくもあらざりけり。都におはしますなま宮たちの、より所なくただよはしげなるには、こよなく勝りて、めでたくにぎはゝしく見えたり。

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永仁五年（一二九七）十二月十七日、式部卿に任じられ、一品に敍される。

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『歴代編年集成』二十七「伏見天皇」征夷大將軍一品式部卿久明親王

永仁五年十二月十七日、任式部卿、敍一品。

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德治三年（一三〇八）七月九日、鎌倉の佐介谷より京都に向けて出發。

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『北條九代記』下　久明親王

德治三年七月八日、有御上洛之由、以秋田城介時顯被申之。同翌日入御上野前司時光亭。

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『將軍執権次第』延慶元年【德治三年】、久明親王

七月九日子刻、佐介谷出御。

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德治三年（一三〇八）七月十九日、歸京。

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『將軍執権次第』延慶元年【德治三年】、久明親王

同【七月】十九日、御上洛。

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德治三年（一三〇八）八月四日、二條富小路第に入る。

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『大乘院日記目録』一、延慶元年八月四日（『皇室制度史料皇族三』一二五頁所引）

將軍久明親王自關東上洛。

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『續史愚抄』德治三年八月四日庚寅

征夷大將軍式部卿久明親王（後深草院皇子）自鎌倉上洛、入二條富小路第。爲相模守入道貞時朝臣被逐云（『歴代最要』・『鎌倉將軍次第』（作九月三日謬矣）・『武家年代記』・『將軍家譜』）。

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延慶二年（一三〇九）三月二十一日、巡給に預かる。

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『續史愚抄』延慶二年三月廿一日甲辰

一品式部卿久明親王、宜從今年預巡給由宣下（口宣）。上卿按察大納言（實泰）、奉行藏人頭左中將家親朝臣（『執筆抄』・『實躬卿記』・『傳抄』・『東寳記』）。

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出家。法名「素圓」。

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東山御文庫本『一代要記』四、「後深草天皇」の皇子「久明親王」の尻付（『続神道大系朝儀祭祀編一代要記』(三)、一七〇頁）

母内大臣公親公女。
一品。式部卿。征夷大將軍。　　　　法名素圓。

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嘉暦三年（一三二八）十月十四日薨。五十三歳。

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『常樂記』嘉暦三年戊辰十月十四日

式部卿親王（久明）薨御。

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『將軍執権次第』

嘉暦三年十月十四日、前将軍久明親王薨。