●	元祿十三年（一七〇〇）十二月二十一日、生誕。 ◎ 『詰所系圖』「伏見殿」邦永親王の子「（十二代）貞建親王」 東山院御猶子　　母同【�ｎq内親王】　　元祿十三年十二月廿一日生。寶永六年五月廿一日親王宣下。正�ｺ五年十月二日元服。加冠有栖川正仁親王。無品。任兵部卿。享保十二年三月二（三イ）日敍二品。寶暦四年七月二十一日敍一品。同二十二日薨（五十五歳）。號後乾�ｺ院。
（若宮）
●	寶永五年（一七〇八）十二月五日、東山院の猶子となる。 ◎ 『伏見宮日記』寶永五年十二月三日 若宮御方御猶子之事、舊冬御參内候而主上【東山院】御對面之上、御直ニ御内證御願被仰上候處、叡慮云。『猶子連綿勿論之義候得共、尚東武ヘ御尋可被遊』由勅答也云々。今夕、自大准后御方之御内意云。『兼而御願候【イ之】若宮御猶子之事、東武無異義之旨候間、表向〓【より】以先格早々御願被仰上可然候。且又京極殿若宮ニも同御猶子兼而御願被仰上候處、右之御首尾故、則今日以御奉書表向〓【より】御願被仰候旨申來。右之御首尾候得共、今日者�C淨光院之御忌日。其上薄暮候得者、於此御所、明早朝御願可被成』御沙汰也。 ◎ 『伏見宮日記』寶永五年十二月四日 若宮御方御猶子之事、如天和三年三月邦永親王仙洞識仁【靈元院】御猶子御願之格、以女房奉書、今日禁裏・中宮御所ヘ御願被仰上訖。自中宮御所御返書參。於禁裏者今日御�ｺ日候間、御返書明日可被差出由也。御使三木和泉守御奉書持參。半上下著用。 ◎ 『伏見宮日記』寶永五年十二月五日 自禁裏昨日之御返書參。御使番持參之。御返書有之。記左。 　　禁裏〓【より】中高二枚、散、 御ふミのやう披露申入まいらせ候。若宮ノ御方御代々々御ゆうし【猶子】の御事にて候まゝ、此たひも御ねかひのよし御心得あらせられ候。此よしよく御心得候て御申入られ候。かしく。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〓【より】 　　誰にてもの御局へまいる。まいらせ候。 ◎ 『基熈公記』寶永五年十二月八日庚戌 從伏見殿【邦永親王】有使。若宮御猶子之事、連々被相願處、勅許。其後又被願關東之處、頃日無相異相調悦入旨也。珍重由令返答了。去五日御猶子事被仰出云々。
貞建親王［伏見殿若宮］
●	寶永六年（一七〇九）五月二十一日、親王宣下。 ◎ 『伏見宮日記』寶永六年五月廿一日 此日（辰刻）、貞建親王宣下。未刻、邦永親王二品宣下也。親王宣下之上卿久我中納言惟通卿、勅別當西園寺大納言致季卿、參陣辨日野右少辨永資朝臣、奉行職事甘露寺頭辨尚長朝臣也。右今上親王之宣旨右大史大藏少輔持參之。有御前之儀。詳于親王宣下之記也。 ◎ 『禁裏番衆所日記』寶永六年五月廿一日辛卯 辰剋中務卿宮太郎君（貞建）親王宣下也。上卿源中納言（惟通）。辨權右少辨永資。勅別當西園寺大納言【致季】。奉行職事尚長朝臣。 爲御祝儀白紗綾十卷、一荷二種被遣之。御使公野朝臣。 ◎ 『章弘宿禰記』寶永六年五月廿一日 辰ノ刻（�ﾘ天）、伏見邦永親王若宮親王宣下、爲貞建。上卿久我中納言通惟【惟通】卿。奉行甘露寺頭左中辨尚長朝臣。參仕權右少辨日野永資。 　　權大納言藤原朝臣致季 　權右少辨藤原朝臣永資傳宣 　權中納言源朝臣惟通宣奉 　勅件人宜爲貞建親王家別當者 　　寶永六年五月廿一日　　　　　　　　　　　　　右大史兼大藏少輔高橋朝臣春職（奉）
貞建親王［兵部卿宮］
●	正�ｺ五年（一七一五）十月二日、元服（加冠は正仁親王［有栖川殿］）。兵部卿に任じられる。 ◎ 『議奏日次案』正�ｺ五年十月二日甲子 （伏見宮）貞建親王今日元服參入。今朝被任兵部卿。於常御所被拜龍顔【中御門院】。申次右大將（公全）賜二獻。御陪膳西園寺大納言。手長�u光。役送源仲學。宮前尚賢朝臣。今朝被遣御祝儀、御太刀一腰、御馬一疋（黄金十兩）、一荷貳種。御使甘露寺宰相。
●	享保十一年（一七二六）十二月十二日、父 邦永親王の喪が明ける。 ◎ 『伏見宮日記』享保十一年十二月十二日 一、御所樣御精進被解、御喪服被除、御沐浴被遊。
貞建親王［伏見殿／伏見宮］
●	享保十一年（一七二六）十二月十七日、宮家代替により、これまで「兵部卿宮樣」と稱されていたのを改めて「伏見樣」「伏見宮」「伏見ノ御所」と稱すよう定められた。 ◎ 『伏見宮日記』享保十一年十二月十七日 一、御家來中江被仰渡。左之通。 　･････ 一、 是迄ハ「兵部卿宮樣」と稱し申候へ共、自今「御所樣」又外ニ而「伏見樣」、「伏見宮」、或ハ「伏見ノ御所」ととなへ可申事。 　右之通被仰出候。
●	享保十二年（一七二七）三月三日、二品に敍される。 ◎ 『伏見宮日記』享保十二年三月三日 一、 此御所二品御推敍、有栖川宮【職仁親王】二品宣下、辰剋。同剋ニ陣之儀有之（先此御所之陣儀有之。次有栖川宮陣儀有之云々）。
●	寛延二年（一七四九）九月二十四日、隨身兵仗を賜わる。
●	寶暦四年（一七五四）七月二十一日、一品に敍され、牛車宣下。同日辰刻、死亡。 ◎ 『通兄公記』寶暦四年七月廿日丁酉 ◎ 『通兄公記』寶暦四年七月廿一日戊戌 ◎ 『伏見宮日記』寶暦四年七月廿一日 一、 今日兵部卿宮樣一品宣下、牛車宣下之儀、如御例女房奉書を以御願有之候所、御返事御沙汰可有之旨ニ而、同夜油小路頭中將殿〓【より】諸大夫へ消息を以、一品宣下、牛車宣下之事、各宣下ニ候。則源大納言ヘ附候。今日中位記・宣旨等可持參候之旨、御案内有之也。同夜九ツ半時、大内記宣旨持參。於�C棲御殿其儀有之。･････ 一、 兵部卿宮御養生御叶不被遊、今日辰剋薨去也。 ◎ 『八槐記』寶暦四年七月廿一日戊戌 �ﾘ。參内。此日二品貞建親王（兵部卿）敍一品、聽牛車宣下。依病危急、俄被宣下。 ◎ 『稙房卿記』寶暦四年七月廿一日戊戌 兵部卿貞建親王病氣大切之間、今日有一品宣下（消息）。上卿源大納言（敏通卿）。奉行隆前朝臣。 ◎ 『�ｮ言卿記』寶暦四年七月廿一日戊戌 陰�ﾘ。此日二品貞建親王一品、乘牛車出入宮中之事宣下（消息））。上卿源大納言（敏通）。奉行職事隆前朝臣。
●	寶暦四年（一七五四）七月二十二日、「薨逝」（發喪）。五十五歳。 ◎ 『御湯殿上日記』寶暦四年七月廿二日 �ﾘ。ひやうぶ【兵部】卿宮【貞建親王】御やうじやうかない申さず、今日さるのこくにこうきよ【薨去】なり候よし申入られ候。こよひより廿四日まで三日の間はいてう【廢朝】仰出さるゝ。 ◎ 『八槐記』公武御用部 寶暦四年七月廿二日（『廣橋兼胤公武御用日記』五ノ一六頁） 一、秉燭兩人【柳原光綱・廣橋兼胤】詣攝政殿【一條道香】、申入云。兵部卿宮【貞建親王】所勞養生不相叶今日申剋薨去之由屆書出候。可令言上哉。右（ニ）付自今日至廿四日三个日可爲廢　朝哉。附議奏可言上哉之由申入。例之通可令沙汰被命。 ◎ 『�ｮ言卿記』寶暦四年七月廿二日己亥 陰、自未刻許雨。兵部卿宮【貞建親王】今日薨去、自今日三ヶ日廢朝之旨被觸了。 ◎ 『八槐記』寶暦四年七月廿二日己亥 陰。秉燭之比參内（柳原前大納言同參）、奏兵部卿貞建親王薨去之由。自今日至廿四日三个日廢朝。下御簾。 ◎ 『稙房卿記』寶暦四年七月廿二日己亥 兵部卿宮【貞建親王】被薨之間、自今晩到廿四日三箇日廢朝被仰出。 ◎ 『通兄公記』寶暦四年七月廿二日己亥
●	相國寺に葬られる。法號「後乾�ｺ院」