本康親王
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『花鳥餘情』卷十八「梅枝」
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參議滋野朝臣貞主の長女。
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天長九年(八三二)以前に、皇太子正良親王の子として誕生。
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承和三年(八三六)十一月三日、近江國野洲郡の空閑地三十五町を賜わる。
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承和四年(八三七)正月二十二日、河内國の荒廢田三十町を賜わる。
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承和十五年(八四八)四月十四日、C涼殿において元服。
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嘉祥二年(八四九)正月七日、無品から四品に敍される。
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嘉祥三年(八五〇)正月十五日、上野太守となる。
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[嘉祥三年(八五〇)五月十七日]、上總太守となる。
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貞觀二年(八六〇)二月十四日、彈正尹を兼任。
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貞觀五年(八六三)二月十日、兵部卿に任じられる。
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貞觀五年(八六三)二月十四日、C和天皇より帶劍を聽される。
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貞觀十一年(八六九)二月十六日、上總太守を兼任。
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貞觀十三年(八七一)正月七日、四品から三品に昇敍。
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貞觀十八年(八七六)十二月二十六日、太宰帥に任じられ、兵部卿と兼任。
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元慶七年(八八三)正月七日、三品から二品に昇敍。
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元慶八年(八八四)二月四日、讓位した陽成天皇の二條院への遷幸に供奉。
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陽成天皇のもとから、三種の~器が東二條宮の時康親王(光孝天皇)のもとに渡御した際、踐祚を再三固辭する時康親王に對して跪奏を行う。
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元慶八年(八八四)二月五日、東二條宮において、藤原基經が陽成天皇から賜わった劍を解いたのに倣って帶劍を解き、あらためて光孝天皇より帶劍を賜わる。
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元慶八年(八八四)三月九日、式部卿に任じられる。
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一品に昇敍。
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寛平元年(八八九)十一月十九日、輦車に乘って宮中に出入するのを許される。
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七十歳の賀を祝われる。
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延喜元年(九〇一)十二月十四日、薨逝。
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延喜元年(九〇一)十二月十六日、薨奏あり。
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『九暦記』天慶七年十月九日條に、『故八條式部卿(本康)私記』が引用されている。 | ||
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『故八條式部卿(本康)私記』は、朝廷公事の記録を主目的とした私日記の先驅的存在と見做される。藤原朝臣忠平は、父(藤原朝臣基經)の宮廷儀禮の作法を、本康親王と貞保親王を介して傳承された。
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『九暦記』天慶七年十月九日條に所引の『故八條式部卿(本康)私記』は、『岡屋關白記』建長二年十月十四日條に部分的に引用されている。
『大日本古記録 岡屋關白記』の二五七頁には、「先帝」に「(後嵯峨天皇)」と傍注が付けられているが、これはC和天皇の誤り。當該部分は『大日本史料』第五編之三十三(東京大学史料編纂所編纂、2006年3月)の四一〇頁にも引用されているが、『大日本史料』編纂者も、これが『故八條式部卿(本康)私記』の一部であることに氣づかず、『大日本古記録 岡屋關白記』の誤った傍注を踏襲している。 |
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『續後撰和歌集』に、一首、入撰。
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有職家として知られる。 | ||||
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右京七條に「池侍從領」を開發、經營した。
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琴の名手として知られる。 | |||
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『菅家後集』474 の七言絶句「感吏部王〔式部卿本康親王〕彈琴、應制(一絶)」は、本康親王の琴の演奏に感動した菅原道眞の作。
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高橋朝臣文屋麻呂は嵯峨太上天皇に仕え、太上天皇自身により「鼓琴」を教えられたが、嵯峨太上天皇の崩御後、仁明天皇に仕え、勅により、「鼓琴」を時康親王(のちの光孝天皇)と本康親王に教えた。
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「高名薫物合」即ち香合の名人として有名であった。
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外孫の藤原朝臣保忠(八條大將)も、『原中最秘抄』「薫物合高名人數」に「八條式部卿宮、同孫子左大將保忠」とあり、「薫物合」の名人であった。また、香合の名人として『原中最秘抄』「薫物合高名人數」に擧げられている「四條大納言公任」は、父 藤原朝臣頼忠が保忠の養子であった關係で、保忠の薫法を傳えられたと考えられている(『薫集類抄』上巻 裏書)。 |
【備考】
【文獻等】
更新日時: 2022.01.19. 公開日時: 2008.04.26. Copyright: Ahmadjan 2008.4 - All rights reserved. |