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寛永九年（一六三二）五月二十七日、落胤として母の實家、丹波國桑田郡尾口村の安藤定次家で出生。
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『伏見宮系譜』十二代「貞致(サタユキ)今上親王」
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「峯松君」
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幼名「峯松君」。母の實家、安藤定次家で養育。
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田蔵書安藤家系』
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『忠利宿禰記』萬治三年七月十七日庚午條に「丹波國□□」の養子となると記されているのは、これを指していると考えられる。
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『安藤家由緒書』「定爲ノ傳」、渡辺金造（刀水）「安藤素軒と年山」等によると、邦道親王と邦尚親王との間の繼承問題により、家を出て母と共に丹波國桑田郡尾口村平野の安藤内匠頭定爲（母「少納言局」の從兄弟に當る）のもとに寄寓した、という。
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「長九郞」
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一六四三／一六四四年（寛永二十年／正保元年）、十二・三歳の時、母の妹の嫁ぎ先、鍛冶「西陣埋忠」の弟子となり、一六四九年（慶安二年）、十八歳の時まで「長九郞」と稱す。「鍛冶モ事外【殊の外】きよう【器用】」であったという。
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（名前未詳）
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慶安二年（一六四九）、西陣埋忠のもとを離れ、おそらく母の實家、丹波の安藤定次家に寄寓。十八歳。
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『忠利宿禰記』萬治三年七月十七日庚午
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田蔵書安藤家系』
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慶安四年（一六五一）、母の從兄弟、安藤新五郞定爲のもとに寄寓。二十歳。
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『安藤家由緒書』「定爲ノ傳」
定爲ハ寛永四年四月十四日抱琴園ニテ生レ、安藤新五郎ト稱ス。･････ 二十五歳【慶安四年】ノ秋、伏見殿貞致親王（時ニ二十歳）御母儀少納言局（定爲ノ姉。實ハ伯父定吉ノ娘）共ニ竹園ヲ出テ定爲ノ家ニ依リタマフ。其故ハ貞清親王ノ御次男邦道親王ノ御母儀ト御長男邦尚親王ノ母儀寵ヲネタミ且ツソノ所生ヲ立ントシテ譛言【しんげん】ムツカシク、其余響貞致親王及ヒ御母儀少納言局ニマデ及ビタレバナリ。
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『安藤略系』「長松軒惟翁の傳」
[安藤定為（一六二七年生）が]二十五歳の秋【一六五一年】、伏見殿貞清親王の御子邦尚王・邦道王の御母たち（をの々々家の女房にして異腹なり）事出きて邦尚の御子貞致王御母少納言の局（定明の養女。定為の姉なり。但し實は定吉のむすめにて侍り）共に伏見殿を出て定為の家に入て年月送りたまふ。後に邦尚も邦道も早世まし々々たれは、おのつから貞致王ハ伏見殿へ帰らせたまひて貞清親王の家督をうけたまひぬ。
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安藤年山『年山紀聞』「長松軒惟翁の傳」
[安藤定為（一六二七年生）が]二十五歳の秋【一六五一年】、伏見殿貞致親王時に二十才）御母儀少納言局（定為の姉。實は伯父定吉のむすめ）共に竹園を出て定為の家に依りたまふ。
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承應元年（一六五二）、父 貞淸親王の招きにより歸洛。二十一歳。
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田蔵書安藤家系』
又曰。貞致親王誕生以来承應元年貞清親王之依御招到于御帰洛之年二十一年之間於于定次【安藤】宅奉養育者也。定次者定元之弟定子之弟也。
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田宗氏秘記』
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承應二年（一六五三）、伏見宮家から追われ、逼塞。西陣埋忠のもとに寄住。二十二歳。
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田蔵書安藤家系』
又曰。貞致親王依讒言、自承應二年于萬治三年御沈淪七年之間、母儀ノ妹ナル者依為明珍妻、於于明珍宅奉養育云々。明珍者理忠【埋忠】氏也。
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田宗氏秘記』
承應元年貞致親王御童形廿一歳ニシテ自丹州御帰洛。是貞清親王ノ依御招也。到于茲於于定次之宅奉養育二十一年、此時宗氏供奉セリ。伏見殿諸大夫生島右京亮盛勝、内本左京亮吉泰等、與邦道親王ノ母儀相謀ツテ讒貞致親王於貞清親王。依之貞致親王御逼塞。
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承應三年（一六五四）七月四日、貞清親王が薨逝し、同月二十一日、邦道親王が嗣子なく薨逝した後、後水尾院の男子が宮家を嗣ぎ、貞致は出家することに決まった。しかし、安藤新五郞定爲は、源朝臣雅純［庭田］、源朝臣善賴［三木］（後の源朝臣冬仲［慈光寺］）と相談し、貞致が「伏見殿の御総領」であることは紛れもない事実であると、武家伝奏の藤原朝臣共房［清閑寺］、藤原朝臣定逸［野宮］、および、京都所司代板倉周防守重宗に訴え出た。その後、幕府による吟味の上、召し出され、伏見宮を繼承するに至った。
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『忠利宿禰記』萬治三年七月十七日庚午
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『伏見宮系譜』「貞致(サタユキ)今上親王」所引『津田宗氏秘記』
承應三年七月四日貞清親王薨。同年同月廿日邦道親王薨。邦道親王當薨去ノ日ニ貞致親王（廿三歳）伏見殿御總領無紛之條、就于傳奏清閑院大納言【清閑寺共房】、野宮大納言【定逸】、所司代板倉周防守訴訟之。萬治三年依于武命板倉周防守参入貞致親王逼塞ノ御所、而奉渡御。親王沈淪七年、萬治三年七月廿七日元服。後水尾院・東福門院御猶子タリ。宗氏貞致親王ヲ二十一年於于定次宅奉養育。又先途之依功労蒙諸大夫ノ命云々。
∴邦茂王──藤原定實──定元─┐
┌─────────────┘
├定子 津田家遺跡相續
└定次──宗氏
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『安藤家由緒書』「定爲ノ傳」
然ルニ承應三年七月、貞清親王及ビ御次男邦道親王モウチツゞキ御薨去。且コレヨリサキ御長男邦尚親王モ既ニ御薨去ニマシマセバ、正ク竹園ノ御家督ハ貞致親王ニマギルゝ事ナキ所ナリシガ、仙洞（御水尾院）ノ皇子アマタマシ々々ケレバ江戸ヘ申サセタマヒテ伏見殿ヘ入レマイラセ、則チ貞清親王ノ御嗣タルベキ、貞致親王ハ御出家アルベキ御内意ニテアリシカバ、定爲ハコレヲ聞テ竹園ノ一大事トシ、庭田雅純朝臣、三木冬仲【慈光寺】等ト相議シテ、貞清親王ノ御嫡孫【ﾏﾏ】ニシテ邦尚親王ノ御子タル貞致親王ノマシマス由ヲ京都ノ所司代板倉周防守ヨリ江戸ヘ執シ申サレン事ヲ訴ヘラル。ソノ程ノ労役、或ハ防州ノ舘（二條）、又ハ江戸下向ナド、定爲獨リ當リ玉フ。公儀明察ニシテ仙洞ノ叡旨空クナラセタマヒ、貞致親王御利運ヲヒラキ、伏見殿御相續マシマシケルハ、ヒトヘニ定爲ノ力ナリト世ノ人モ感ジ侍リケルトゾ。
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萬治三年（一六六〇）六月二十七日、仙洞（後水尾院）の猶子となる。
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貞致親王
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萬治三年（一六六〇）七月十七日、親王宣下。名を「貞致」と賜わる。時に二十九歳。源朝臣廣通［久我］が、萬事、指南・後見した。
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『忠利宿禰記』萬治三年七月十七日庚午
晴。今日辰刻、伏見殿貞致親王宣下。次第。
上卿先被遂著陣。藏人方吉書披見。辨賴孝【葉室】。吉書持參被返後、史下氣色如例。大史床子座有。請取氣色如例。追付陣儀。上卿（奧）。職事（賴孝）御名字下。今度御名字被書改由也。次上卿著端座。次以官人令敷軾。次以官人召辨（光雄【烏丸】）。軾參御名字下給。。於床子座前、史（利昭）給大史（忠利）。床子有請取之氣色如例。此間職事陣出テ、以權大納言藤原朝臣資行【柳原】貞致親王家可爲勅別當。職事退。次以官人召辨、仰云如職事。辨於床子座前史仰如職事。大史床子座有少史如例申之。次上卿以官人令撤軾、退出。上卿日野權大納言弘資卿。職事葉室左中辨賴孝。辨烏丸右少辨光雄。勅別當（【傍注】神宮傳奏也）柳原權大納言資行卿。左大史忠利。大外記師定朝臣。外記中原定慶。史小槻利昭。諸役人如例。巳刻退出、歸宅、宣旨調。
貞致
右少辨藤原朝臣光雄傳宣。權大納言藤原朝臣弘資宣。奉 勅、宜爲親王者。
萬治三年七月十七日 左大史兼主殿頭〓【算】博士小槻宿禰忠利（奉）
權大納言藤原朝臣資行
右少辨藤原朝臣光雄傳宣。權大納言藤原朝臣弘資宣。奉 勅、件人宜爲貞致親王家別當者。
萬治三年七月十七日 左大史兼主殿頭〓【算】博士小槻宿禰忠利（奉）
如此宣旨貳通調。親王ノ宣旨、伏見殿亭へ持參。･････ 貞致親王ハ伏見殿 親王ノ御子。丹波國 ト云所ヘ養子ト成給。十二三ノ時、西陣埋忠ト申鍛冶ノ弟子ニ御成、十八歳迄名長九郎ト申。今度御跡目無之故、吟味有之、再度世ニ出給事也。鍛冶モ事外きようの由取沙汰有之。不思議之沙汰有之。委細重而可注事也。萬事久我右大將廣通卿指南後見有之。邦道親王ノ御舍兄之由也。下戚腹之由也。
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『宣順卿記』萬治三年七月十七日
辰刻、貞致親王宣下（陣）。上卿日野大納言【弘資】。勅別當柳原大納言【資行】。辨光雄【烏丸】。先著陣。辨賴孝【葉室】。奉行職事賴孝。
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萬治三年（一六六〇）七月二十七日、元服。彈正尹に任じられる。
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『忠利宿禰記』萬治三年七月晦日癸未
去廿七日、伏見殿貞致親王御元服。加冠二條前攝政殿康道公。理髪四條中將隆音朝臣。著座三人之由也。
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『宣順卿記』萬治三年七月廿七日
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伏見宮本『伏見宮代々位記宣旨類』
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寛文五年（一六六五）九月二十三日、近衞内大臣藤原朝臣基熙の姉「好君」と婚約。
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寛文五年（一六六五）十一月八日、「好君」と婚礼。
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『基熙公記』寛文五年十一月五日
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『基熙公記』寛文五年十一月八日
好君移徙也。･････ 抑好君事、女二宮之姫君（予姉也、雖然予事ハ別腹也。子細長山記在之）、女院之御孫姫也。其故諸事移徙以下之事、女院之御肝煎也。･････
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寛文七年（一六六七）二月十八日、式部卿に任じられ、二品に敍される。
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『伏見宮代々位記宣旨類』三十
無品貞致親王
右可二品
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寛文七年二月十八日
･････
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『重房宿禰記』寛文七年二月十八日（癸亥）
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『烏丸家記（宣下）』寛文七年二月十八日
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『官公事抄』寛文七年二月十八日
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元祿七年（一六九四）四月頃より腰痛あり、食欲なく、治療を受けるが、病勢が昂進。
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『伏見宮日記』元祿七年四月三日
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『伏見宮日記』元祿七年四月廿九日
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『伏見宮日記』元祿七年五月三日
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『伏見宮日記』元祿七年五月六日
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『伏見宮日記』元祿七年五月八日
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『伏見宮日記』元祿七年五月九日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十一日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十二日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十三日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十五日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十六日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十七日
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『伏見宮日記』元祿七年五月十八日
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元祿七年（一六九四）五月十八日、薨逝。六十三歳。
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『基熈公記』元祿七年五月十八日乙卯
巳剋許、源亞相來云。式部卿宮貞致親王既御【イ以】薨云々。春秋六十三云々。此宮爲後水尾院猶子被出身。聊爲異風人間。近年一向無出頭。但此宮室余姉（先年死去。號微妙光院）也。仍余心底年來不存疎略。雖然面謁聊有憚思故、經數年了。觀無常而已。
後聞。依式部卿宮事從今日廢朝三ヶ日云々。
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『平田職央日記』元祿七年五月十八日（乙卯）
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『兼輝公記』元祿七年五月十八日
今朝伏見宮（式部卿貞致親王。六十三才）薨去云々。仍自今日廢朝三ヶ日云々。
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『院中番衆所日記』元祿七年五月十八日
今日式部卿宮薨去。依之三ヶ日之間洞中物音被停止之。
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『通誠公記』元祿七年五月十八日
式部卿貞致親王薨御。及事急々切。家司小長谷下野守注彼宮遺書、別紙續左。
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抑故式部卿宮宮方、姫宮（母家女房）、若宮（十九才。母家女房。岡本將監妹。与姫宮別腹）、房(ノブ)宮（六才）、眞宮（四才。姫）、英宮（三才）、勝宮（一才。母家女房アゼチ。房宮已下四方同腹）、与上候別也。
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元祿七年（一六九四）五月二十七日、葬送。相國寺の伏見宮墓地に葬る。遺言により「圓實照院」と追號。
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『伏見宮系譜』「（【右傍】十二代）貞致今上親王」
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