『親王・諸王略傳』信［信淸］

●

從五位下に敍される。

●

寛仁元年（一〇一七）八月十四日、臨時七社奉幣（賀茂行幸御祈）伊勢使の使王を勤仕。

◎

『小右記』寛仁元年八月四日

◎

『小右記』寛仁元年八月六日辛未「行幸奉幣使定事」

藤宰相【公信】事仰長國【※外記】。今日欲定申行幸御幣使。藤宰相【公信】遲參。又々催遣也。予着南座見卜串。三人卜。二人丙合（佐親王・信淸王）。外記長國開封間、作法失例。不合一人不開之例也。佐親王上臈。須以彼可爲使。然而信淸出立之由、長國申之。内々所問。仍申此由。仰以信淸可爲使之由了。

●

寛仁元年（一〇一七）十一月八日、臨時七社奉幣（賀茂社行幸）伊勢使の使王に選ばれず。

◎

『小右記』寛仁元年十一月八日壬寅「伊世幣卜串事」

･････召卜串。國儀【高橋。※外記】納筥進之。返給令開（不開不合之例也）。又進之。致孝王・信淸王丙合。致孝上臈也。仍仰以致孝王可差由了。

●

寛仁二年（一〇一八）九月八日、伊勢例幣使（齋宮奉進）の使王を勤仕。時に散位。

◎	『伊勢勅使部類記』「伊勢勅使雜例」以齋王參宮式日以前例幣被立例

●

寛仁三年（一〇一九）正月十四日、御齋會終事に參仕。

◎

『小右記』寛仁三年正月十四日壬辰「御齊會終事（･････）」

･････史退出後、召着信淸王於座。次二獻･････次居飯・汁就食。内記依召奉宣命。大臣目信淸王。々起座進膝衝、給宣命退出。･････

●

長元三年（一〇三〇）九月十日、翌十一日の伊勢奉幣使の使王に卜定される。

◎

『小右記』長元三年九月十日庚申

大外記文義朝臣【小野】來。傳關白御消息云。明日御幣使卜串聊有思惱不能披見。下官【實資】見之可定遣其使王者。乍驚衣冠、乘車引出西門邊（東【車カ】立門外屋内）見卜串。文義朝臣納筥進之。返給令開。以丙合信淸王定仰、了歸入。･････

●

長元七年（一〇三四）十一月、伊勢奉幣使の使王を勤仕。時に正親正。

◎

『左經記』長元七年十一月十九日乙巳

入夜、依召着女王祿所（承明門）。頃之、右少辨着。･････次、史致親着。･････史申云。正親司下部申云。『女王交名任例雖書信者、依無官人不進覽者』。余仰令申散状。申云。『[※正親]正信清王、爲伊勢使下向。祐屬皆以城外、一人無在京者。･････』･････

※

十一月十九日の女王祿の際、正親正信淸王は伊勢使として下向中であったため、參仕しなかった。

●

長暦三年（一〇三九）八月十八日、伊勢臨時奉幣使の使王を勤仕。時に「内膳長」即ち内膳正。

◎	『太神宮諸雜事記』長暦三年八月十八日

●

長暦四年（一〇四〇）九月二十一日、伊勢例幣使の使王を勤仕する予定であったが、内裏の燒亡により延引される。

◎	『伊勢勅使部類記』「伊勢勅使雜例」九月例幣延引例
◎	『春記』長久元年九月十日壬戌
◎	『春記』長久元年九月廿日壬申
◎	『春記』長久元年九月廿一日癸酉

●

長久五年（一〇四四）十一月までに正親正に任じられる。

●

長久五年（一〇四四）十一月、御神酒干失事祈謝臨時伊勢使の使王を勤仕。時に正親正。十一月六日參宮。

◎	『伊勢勅使部類記』「伊勢勅使雜例」衞士於路頭不淨物取例
◎	『太神宮諸雜事記』長久五年十一月六日

●

治暦二年（一〇六六）十一月十日、公卿勅使副使を勤仕。二十一日、參宮。

◎	『太神宮諸雜事記』治暦二年十一月廿一日

●

治暦三年（一〇六七）九月、伊勢例幣使の使王を勤仕。時に正親正。

◎	『太神宮諸雜事記』治暦三年九月

●

治暦四年（一〇六八）六月から延久元年（一〇六九）九月までの間に、あらためて正親正に任じられる。

●

延久元年（一〇六九）九月、伊勢例幣使の使王を勤仕。時に正親正。

◎	『太神宮諸雜事記』延久元年九月
◎	『伊勢勅使部類記』「伊勢勅使雜例」正殿不被開例

●

延久元年（一〇六九）十月七日、大神寶使の伊勢使王を勤仕。時に正親正。十月十二日參宮。

◎	『太神宮諸雜事記』延久元年閏十月七日
◎	『伊勢勅使部類記』「伊勢勅使雜例」正殿不被開例