『親王・諸王略傳』春［春仁］

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木戸幸一は、春仁王について、小田原で中等教育を受け、皇族として持ち上げられたために特別な意識を身につけてしまった、と語っている。

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「木戸幸一（【振假名】きどこういち）氏との対話」（『華族　明治百年の側面史』（金沢誠・川北洋太郎・湯浅泰雄編）講談社、一九六八年四月、一三六頁。再刊：北洋社、一九七八年四月、一三四頁）

そうそう。学習院に帰ってくると、何ということはない。言葉だって、ぼくらは一番わるかったゼ。（笑）ムチャクチャだったナ。これは華族でなく宮様の方の例になるけども、たとえばＫ宮の若宮なんかは、お身体が弱かったもんですから、士官学校に入る前には小田原で教育をされていた。これが非常にわるかったですね。校長はじめ、まわりが、いやが上にも宮様にまつり上げちまった。そこのＡという校長が山口県の人で、ぼくはよく話を聞いていたんだが、これがもう、こうやって持ち上げちまうんだね。だからツーンとすまして、もう、どうにもなりやしない。そこへゆくと、東久邇さんとか朝香さんとか、学習院でやっておられた方は、もうみんなにモミクチャもされとたから（笑）、ちっとも、そんな意識はないんだナ。

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陸軍騎兵仕官として抜群の容姿であった。

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『宣仁親王日記』大正十五年一月六日水曜（『高松宮日記』一ノ二一二頁）

陸軍始めの予行についてゆく。･････分列式は見てゐて氣持ちがよい。春仁王の櫻狩も無事。やつぱり群を拔いてよいすがたなり。11時かへる。

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二・二六事件における春仁王の態度について、昭和天皇は「宜しい」と述べている。

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『木戸日記』昭和十一年二月二十八日（金）

廣幡より左の如き内話あり。
･････ [※昭和天皇は]各皇族の御態度につき廣幡に御感想を御漏になり、參考に總裁にも傳へよとのことなりしと。
高松宮【宣仁親王】が一番御宜しい。秩父宮【雍仁親王】は五・一五事件の時よりは余程お宜しくなられた。梨本宮【守正王】は泣かぬ許りにして御話であった。春仁王は宜しい。朝香宮【鳩彦王】は大義名分は仰せになるが、尖鋭化して居られて宜しくない。東久邇宮【稔彦王】の方が御判[り]になって居る。

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徹底抗戦論を唱えたという。

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皇籍離脱に反對。

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昭和三十五年（一九六〇）三月十五日、日本ヨガ協會會員となる。同年五月、理事となる。同年七月、理事長となる。

●	閑院純仁『私の自叙伝』（閑院純仁自伝刊行会／人物往来社、昭和四十一年（一九六六）六月）
●	閑院純仁『日本史上の秘録』（東京、日本民主協会、昭和四十二年（一九六七）九月）
※	日記を記していたことが確認される。

●	『平成新修旧華族家系大成上巻』三三頁
●	『昭和新修華族家系大成上巻』二七頁
●	「「皇籍剥奪」風雪五十年抄」（『週刊新潮』第四十巻第二号（一月十二日号）、一九九五年一月）四九～五〇頁
●	河原敏明『美智子さまと皇族たち』（講談社、平成四年（一九九二）十月初版）二一七～二二〇頁。