『親王・諸王略傳』田［田部］

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『親王・諸王略傳』
　　田［田部］

フレームなし

□ 田部王
　のち春日眞人[田部]

【出自】
　春日王（敏達天皇の男子）の後裔。

◎

『新撰姓氏録』右京皇別「春日眞人」

敏達天皇皇子春日王之後也。

【經歴】

田部王

^*春日眞人田部

●

天平勝寶三年（七五一）正月二十七日、春日眞人を賜姓される。時に無位か。

◎

『續日本紀』天平勝寶三年正月辛亥

賜正五位下大井王、奈良眞人姓。无位垂水王、男三室王、甥三影王・日根王・名邊王、无位廬原王、男安曇王・三笠王・對馬王・物部王・枚野王、孫奈羅王・小倉王、无位猪名部王、男大湯坐王・堤王・菟原王・三上王・野原王・礪波王等、三嶋眞人。无位御船王、淡海眞人。无位等美王、内眞人。无位壬生王・岡屋王、美和眞人。无位淸水王、男三狩王、海上眞人。田部王、春日眞人。文成王、甘南備眞人。平群王・常陸王、志紀眞人。

【春日眞人】

●

佐伯有清『新撰姓氏録の研究』考證篇第一、二四八～二四九頁に、

　春日の氏名は、祖の春日王の名前にもとづくのであろう。春日王の名前は、母が春日中若子（春日臣仲君）の女、老女子郎女（老女子夫人）であるので、その母の氏名による。
　春日真人の氏姓は、『続日本紀』天平勝宝三年正月辛亥条に「田部王、春日真人」とあるように、天平勝宝三年（七五一）正月に、田部王が春日真人の氏姓を賜わったのにはじまる。
　春日真人氏の一族の人名は、他の史料にみえない。

とある。

【備考】

●	『百家系圖』卷五五「大原眞人」は、春日皇子の子宮處王の子狹野王の子と作し、「天平寶字二年正月賜春日眞人姓」と注す。

【文獻等】

●	竹内理三／山田英雄／平野邦雄編『日本古代人名辭典』第四卷、1012頁上「田部王」
●	佐伯有清『新撰姓氏録の研究』考證篇第一（吉川弘文館、昭和五十六年（一九八一）十二月第一刷）二四八～二四九頁

更新日時： 2010.06.26.
公開日時： 2010.06.07.