竹田宮恒久王


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『 親 王 ・ 諸 王 略 傳 』
　　恒 ［恒久］

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□ 恒久王　つねひさ
　竹田宮（一）
　
【出自】
　能久親王［北白川宮（三）］の一男。
　
【生母】
　申橋幸（こう）
申橋幸子
輪王寺宮家來 申橋伊豆守藤原朝臣隆恭の女子。
能久親王の侍女。のち北白川宮老女上席。
※『系圖綜覽』所収『皇室系譜』「竹田宮」一〇七頁
　
【經歴】
● 明治十五年（一八八二）九月二十二日午前五時四十分、誕生。
◎ 『北白川宮日記』明治十五年九月廿三日
◎ 『皇親録』総務課 明治十五年
◎ 『明治天皇紀』
● 明治十五年（一八八二）九月二十八日、「恒久」と命名される。
◎ 『北白川宮日記』明治十五年九月廿八日
● 明治三十二年（一八九九）九月一日、東京陸軍地方幼年學校に入學。
● 明治三十三年（一九〇〇）七月九日、東京陸軍地方幼年學校を卒業。
● 明治三十三年（一九〇〇）九月一日、陸軍中央幼年學校に入學。
● 明治三十五年（一九〇二）五月三十日、陸軍中央幼年學校を卒業。
● 明治三十五年（一九〇二）六月五日、士官候補生として近衞騎兵聯隊に入隊。
● 明治三十五年（一九〇二）十二月一日、陸軍士官學校に入校。
● 明治三十六年（一九〇三）二月十日、勲一等に敍され、旭日桐花大綬章を授けられる。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十六年（一九〇三）十一月三十日、陸軍士官學校を卒業。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十七年（一九〇四）二月十二日、陸軍騎兵少尉に任じられる。
● 明治三十七年（一九〇四）二月二十日、近衞騎兵聯隊附に補される。
日露戰爭に出征。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十八年（一九〇五）一月二十五日、日露戰爭より凱旋。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十八年（一九〇五）二月十一日、陸軍騎兵中尉に任じられる。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十九年（一九〇六）二月五日、本職を免じられ陸軍士官學校生徒隊附を仰せ付けられる。
● 明治三十九年（一九〇六）三月三十一日、「竹田宮」の稱號を賜わる。
◎ 『官報』明治三十九年三月三十一日／告示
◎ 『明治天皇紀』
● 明治三十九年（一九〇六）四月一日、功五級に敍され、金鵄勲章を授けられ、年金三百圓を賜わる。
同日付で、明治三十七八年戰役從軍記章を授與される。
● 明治四十年（一九〇七）二月十一日、陸軍騎兵大尉に任じられる。
● 明治四十年（一九〇七）、皇典講究所總裁に任じられる。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治四十年（一九〇七）十二月十日、陸軍大學校に入校。
● 高輪南町御用邸に移轉。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治四十一年（一九〇八）四月二十五日、昌子内親王（明治天皇の六女）との結婚の儀を勅許される。
◎ 『明治天皇紀』
※ 延期となっていた結婚があらためて認可。
● 明治四十一年（一九〇八）四月三十日、昌子内親王（明治天皇の六女）と成婚。
◎ 『官報』明治四十一年四月三十日宮内省告示（『皇族考證』第伍巻 四五三頁）
恒久王殿下、本日昌子内親王殿下ト婚禮濟マセラル。右告示ス。
◎ 『明治天皇紀』
● 邸宅を下賜される。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治四十三年（一九一〇）十一月二十九日、陸軍大學校を卒業。
◎ 『明治天皇紀』
● 明治四十三年（一九一〇）十一月三十日、陸軍士官學校生徒隊附を免じられ、近衞騎兵聯隊附に補される。
● 明治四十四年（一九一一）二月四日、本職を免じられ、近衞騎兵聯隊中隊長に補される。
● 明治四十四年（一九一一）十一月二十二日、陸軍騎兵少佐に任じられる。
同日、近衞騎兵聯隊附を仰せ付けられる。
● 大正二年（一九一三）十一月十五日、近衞騎兵聯隊附を免じられ、陸軍騎兵實施學校附を仰せ付けられる。
● 大正二年（一九一三）十月三十一日付で、大勲位に敍され、菊花大綬章を授けられる。
● 大正四年（一九一五）一月十二日、陸軍騎兵實施學校附を免じられ、騎兵第十九聯隊長に補される。
● 大正四年（一九一五）八月三十一日、陸軍騎兵中佐に任じられる。
● 大正五年（一九一六）八月十八日、本職を免じられ、第一師團司令部附を仰せ付けられる。
● 大正七年（一九一八）七月二十四日、陸軍騎兵大佐に任じられる。
● 大正八年（一九一九）四月二十三日、薨去。同日付で、陸軍少將に任じられる。時に陸軍少將大勲位勲一等功五級。
※ 當時大流行したスペイン風邪に罹患、肺炎を併發。
● 大正八年（一九一九）四月三十日、豐島ヶ岡に葬られる。
　
【墓所】
　東京都文京區大塚の豐島岡皇族墓地
 　
【配偶】
　○ 昌子内親王
恒久王妃
明治天皇の六女。
　
【子女】
　□ 恒德王　 のち竹田恆德　たけだ つねよし
　○ 禮子女王 のち佐野禮子　あやこ
　
【お印】
　「鷹」
　
【逸事等】
● 幼少期に不遇であったためか、思いやりの深い人柄であったという。
◎ 竹田恒徳『菊と星と五輪』三〇頁
父は非常に優しく、一度も叱られた覚えがない。旅行などすると、お土産をよく買ってきてくれた。父は幼少のころから成人するまで環境に恵まれず、むしろ不遇に堪え忍んで育った。そのためか、父をよく知っている人にいわせると「とても思いやりのある、おとなしい辛抱強い方で、怒られた顔など一度も見たことがない、とてもよくできた方だった」と評している。」
● 韓國皇太子 李垠の日本語學習を補助した。
◎ 『明治天皇紀』
　
【文獻等】
●
● 『平成新修 旧華族家系大成 上巻』 四〇頁
● 『昭和新修 華族家系大成 上巻』 三四頁
● 『系圖綜覽』所収『皇室系譜』「竹田宮」 一〇七～一〇八頁
● 竹田恒徳『菊と星と五輪 ──皇族からスポーツ大使へ──』（ベースボール・マガジン社、昭和五十二年四月） 一九～二一頁、三〇頁、四六～四七頁

　
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公開日時： 2015.04.30.
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