『親王・諸王略傳』光［光子⑥］

光子女王 / 徳川光子

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『親王・諸王略傳』
　　光［光子⑥］

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○ 光子[女王]　あきこ

　源朝臣慶賴［德川（田安）］の室。
　のち德川光子

【出自】
　孝仁親王［閑院宮］の三女。

【母】
　「松君」

　藤原朝臣吉子
　「微妙覺院」
　孝仁親王の御息所
　藤原朝臣政熙［鷹司］の女子。

【稱號】
　「昌宮」　もりのみや
　「瑩宮」　きよのみや
　「睦宮」　むつのみや
　「佳宮」　よしのみや

【經歴】

●

文政二年（一八一九）閏四月二十七日、敎仁親王（健宮）との双生で誕生。

◎

『閑院宮日記』文政二年閏四月廿七日

一、今曉子半刻、松君御方御安産。生口良察伺。被仰付出殿御藥調献之（若宮・姫宮）御二方。御三方共御機嫌克被為成候也。

◎

『閑院宮日記拔抄』文政二年後四月廿九日

一、幸德井陰陽助參殿及面會。此度御安産之處、若宮・姫宮御二方御誕生被爲有候御。併表向之義者、若宮而已御披露被爲有候得共勘文之義御二方之分可被差上旨申入候所、暫有之。則相認獻也。

●

文政二年（一八一九）五月四日、七夜。稱號を「昌宮」（もりのみや）と定められる。

◎

『閑院宮日記』文政二年五月四日

一、若宮・姫宮御七夜。
一、御名字從大御所被進之。
　　　健(カタ)宮　　昌(モリ)宮

●

虚弱のため披露をしていなかったが、文政二年（一八一九）十一月一日、誕生の旨を諸方に披露。

『閑院宮日記』文政二年十一月朔日

一、昌宮御方被稱御虚弱御披露無之候處、今日御弘被仰出。･････

●

文政二年（一八一九）十一月十日、表向きは文政元年四月誕生と定められる。

『閑院宮日記』文政二年十一月十日

･････
一、左之趣一統心得として被仰出、書付を以申達。
　　基宮　（文化十四年正月御誕生）
　　昌宮　（文政元年四月御誕生）
　　健宮　（文政二年後四月御誕生）
　右之御次第之通表向者可被相心得候事。
　但於御内者、御實年之通可相心得候事。

●

文政三年（一八二〇）十一月二十七日、髪置。

『閑院宮日記』文政三年十一月廿七日

一、昌宮様御髪置。
･････

●

文政五年（一八二二）閏正月二十三日、色直。

『閑院宮日記』文政五年閏正月廿三日

一、昌宮御方御色直御祝。
･････

●

文政六年（一八二三）十二月十日、深曾木。

『閑院宮日記』文政六年十二月十日

一、昌宮御方御深曾木。吉刻巳。･････

●

文政九年（一八二六）四月七日、双生の健宮の姉とされていたのを、健宮の妹と改められる。

『妙法院日次記繰出』文政九年四月七日

一、昌宮樣此御方【健宮】御姉被爲在候処、御子細有之、御妹被改御由緒書改候事。

●

文政十年（一八二七）五月四日、紐直。

『閑院宮日記』文政十年五月四日

一、昌宮御方御紐直。吉刻巳。
･････

●

天保四年（一八三三）十二月七日、齒黑目。

『閑院宮日記』天保四年十二月七日

一、姫宮昌宮御方今日御鉄醤【鐵漿】始。吉刻巳。
　　但御實年當已御十五歳、表向當已御十六歳。
･････
一、御筆親實枝宮御方【宣子女王】

●

天保六年（一八三五）六月十六日、月見の儀。

『閑院宮日記』天保六年六月十六日

一、昌宮様御月見ニ付一統麻上下着用也。
･････

●

天保九年（一八三八）八月四日、松平越前守源朝臣齊善［福井］との婚約につき伺書を傳奏に提出。

◎	『閑院宮日記』天保九年三月廿三日
◎	『閑院宮日記』天保九年八月四日

●

松平越前守齊善病歿の報知があったため、天保九年（一八三八）八月二十八日、齊善との婚約の伺書を取り下げる。

◎	『閑院宮日記』天保九年八月廿八日

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天保九年（一八三八）九月二十八日、稱號を「瑩宮」（きよのみや）に改める。

◎

『閑院宮日記』天保九年九月廿八日

一、昌宮御方御名字被改瑩(キヨ)宮与被称候旨被仰出候事。

◎

『敎仁親王日記』天保九年九月廿九日

一、閑院家ヨリ申來、今度昌宮改名瑩(キヨ)宮。

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天保十年（一八三九）二月二十一日までに、年替により年齡二十一歳を十八歳に改める。

◎	『閑院宮日記』天保十年二月廿一日

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天保十年（一八三九）九月十六日までに、誕生年月日を文政五年九月十六日と改める。

『閑院宮日記拔抄』天保十年九月十六日

『敎仁親王日記』天保十年九月十七日

一、昨日瑩宮誕生日ニ付例之通小戴到來。仍今日本坊より相廻ル。答禮例之通遣スよし成

●

天保十一年（一八四〇）十二月二十一日、德川右衞門督源朝臣慶賴［田安］との縁約が治定。

◎	『閑院宮日記拔抄』天保十一年十二月廿八日
◎	『仙洞御所詰所日記』天保十二年正月七日^癸_巳
◎	『院評定言渡日記』天保十二年正月八日

●

天保十二年（一八四一）六月十一日、稱號を「睦宮」（むつのみや）と改める。

◎

『閑院宮日記』天保十二年六月十一日

一、瑩宮様御名字此度睦(ムツ)宮与被為改旨被仰出。･････

◎

『敎仁親王日記』天保十二年六月十二日

一、閑院家ゟ申來ル。右瑩宮之事今般御改名稱陸(ムツ)【睦】宮之旨也。

●

弘化三年（一八四六）十月三日、京都を發輿し、二十二日、品川に到着、二十三日、江戸城に入城、即日、田安邸に移る。

『閑院宮日記』天保十五年五月十八日

一、睦宮様當十一月中御本丸江御下向之筈之處、此度御本丸炎上ニ付當十一月者御延引被仰出候旨所司代ゟ申來ル。

『閑院宮日記』弘化三年十月三日

一、睦宮様今日御發輿ニ付御内一統常服麻上下着用。
･････
一、睦宮様正卯刻過御發輿。大書院より四脚御門御出輿。委細別記。
･････

『閑院宮日記』弘化三年十月七日

『閑院宮日記』弘化三年十月十日

『閑院宮日記』弘化三年十月十六日

『閑院宮日記』弘化三年十月十九日

『閑院宮日記』弘化三年十月廿二日

『閑院宮日記』弘化三年十月廿九日

『閑院宮日記』弘化三年十一月朔日

『閑院宮日記』弘化三年十一月五日

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弘化三年（一八四六）十一月一日、德川右衞門督源朝臣慶賴［田安］と結納。

◎	『閑院宮日記』弘化三年十一月十日
◎	『弘化年録』弘化三年十一月朔日

●

弘化三年（一八四六）十一月二十三日、德川右衞門督慶賴と結婚。

◎	『閑院宮日記』弘化三年十二月三日
◎	『閑院宮日記』弘化三年十二月四日
◎	『閑院宮日記』弘化三年十二月十一日

●

明治元年（一八六八）十一月、稱號を「佳宮」（よしのみや）に改める。

◎

『閑院宮御系譜』

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戸籍名を光子とする。

●

明治三十九年（一九〇六）十月二十六日死去。八十八歳。

『華族諸届録』宗秩寮明治三十九年

　　　死亡御届
　　　　　　　　芝區三田網町壹番地
　　　　　　　　　從三位伯爵德川達孝
　　　　　　　　　　養母　　光　　子
右病氣之處養生不相叶昨廿六日午後九時死去候ニ付別紙医師診断書相添此段御届申上候也。
　　明治参拾九年十月廿七日
　　　　　　　　　從三位伯爵德川達孝(印)
　宮内大臣子爵田中光顯殿

『皇后宮職日記』明治三十九年十月三十日火曜

一　　　　　　伯爵德川達孝（元田安家）養母
　　　　　　　閑院宮孝仁親王第三女　光　子
　右去ル二十六日逝去ニ付皇后陛下ヨリ御盛菓子（六百箇）壹臺靈前ヘ被下（御使吉見屬）

【配偶】
　源朝臣慶賴［田安］のち德川慶賴

　文政十一年（一八二八）十月十三日生。幼名「群之助」
　天保十年（一八三九）三月二十六日、田安家の家督を相續。
　天保十年（一八三九）五月十八日、元服、慶賴と諱を賜わり、從三位に敍され、左近衞權中將兼右衞門督に任じられる。
　從二位
　明治九年（一八七六）九月二十一日死去。贈正二位。

【文獻等】

●	『閑院宮實録』三八『孝仁親王實録』八（宮内公文書館所藏。識別番号 75492）「王女　光子女王（德川慶賴室）」

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公開日時： 2021.01.11.

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