敦貞親王


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『 親 王 ・ 諸 王 略 傳 』
　　敦 ［敦貞］

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□ 敦貞親王
　
【出自】
　三條院の親王。
　實は敦明親王（小一條院）の男子（一宮）。
　
【母】
　藤原朝臣延子
藤原朝臣顯光の女子。
　
【經歴】
● 長和三年（一〇一四）十月六日、誕生。
◎ 『小右記』長和三年十月七日庚申
去夜、式部卿宮【敦明親王】北方【藤原延子】産男子【敦貞】（右大臣【藤原顯光】女）。左大臣桑□百疋被奉李部宮云々。
● 長和三年（一〇一四）十月十二日、七夜。
◎ 『小右記』長和三年十月十三日丙寅
資平云。昨日式部卿宮【敦明親王】妻産七夜。自内裏以左少將經親（藏人）被遣御劍并御馬（左）、絹五十疋、綿二屯、調布百端。･････
● 寛仁三年（一〇一九）三月四日、故三條院の子となり親王宣下。
◎ 『御堂關白記』寛仁三年三月四日辛酉
小一條院男一君、女二宮、爲三條院御子、被下親王宣旨。敦貞、懷子【儇子】。行枇杷殿見屋立又參院。
◎ 『小右記』寛仁三年三月五日壬戌「三條院女親王叙三品并當院男女親王宣旨事」
[藤原資平]又云。故三條院女親王【禔子】（皇后宮腹。一夜着袴親王）被叙三品。
當時院【小一條院】男女（男【敦貞】者左大臣【藤原顯光】女【延子】腹。女【儇子】者前太政大臣【藤原道長】女【寛子】腹（高松））爲親王之宣旨下也。爲故三條院王子今被下爲親王之宣旨云々。
故華山院御子二人【昭登・淸仁】爲故冷泉院王子爲親王。依彼例所被行云々。已不相合之例也。所以者何。冷泉院御坐之時爲彼王子。而三條院崩已及三箇年。令【今】更爲彼王子如何。一時議歟。就中高松腹去年産給。以崩後産給女王入彼三條院王子爲親王、天下必有言乎。
◎ 『日本紀略』寛仁三年三月四日辛酉
前三條院皇子敦貞爲親王、皇女儇子爲内親王。此男女親王皆是小一條院之息也。前三條院爲子。
◎ 『小右記』寛仁三年三月十二日己巳
左相府【藤原顯光】被參大殿【藤原道長】被申孫親王【敦貞】慶。
● 長元四年（一〇三一）正月十九日、源朝臣濟政の女子を娶る。
◎ 『小右記』長元四年正月十九日丁卯
今夜、小一條院一宮、嫁修理大夫濟政女。
◎ 『榮花物語』「歌合」
小一條院には、故左大臣殿【藤原顯光】の女御【藤原延子】の御はらに男二人、女一ところを、一宮【敦貞親王】は中務、濟政のはりまの守のむこにてものし給。
● 長元九年（一〇三六）六月二十七日、四品に敍される。
◎ 『範國記』長元九年六月廿七日
被行坊官除目。･････ 此次無品敦貞親王敍四品（御即位威儀料云々）。･････
● 長元九年（一〇三六）七月十日、後朱雀院の即位式に於いて左侍從を勤仕。
◎ 『天祚禮祀職掌録』後朱雀院
左侍從　無品【ﾏﾏ】敦貞親王
● 長元九年（一〇三六）十一月、中務卿に任じられる。
◎ 『十三代要略』
● 寛德二年（一〇四五）四月八日、後冷泉院の即位式に於いて左侍從を勤仕。
◎ 『天祚禮祀職掌録』後冷泉院
左侍從　中務卿敦貞親王
● 永承五年（一〇五〇）二月、式部卿に任じられる。
◎ 『十三代要略』
● 三品に敍される。
◎ 『本朝皇胤紹運録』
● 康平四年（一〇六一）二月八日、薨去。四十八歳。
◎ 『本朝皇胤紹運録』
◎ 『尊卑分脈』「長和」
　
【配偶】
　源朝臣濟政の女子
藤原朝臣宗家の母。
◎『稿本三條天皇實録』七一六～七一七頁「敦貞親王妃源氏」
　源延信（もと延信王。淸仁親王の男子）の女子
寛意の母。
◎『稿本三條天皇實録』七一八頁「敦貞親王室某」
　
【子女】
　□ 藤原朝臣宗家【藤原朝臣信家の養子】
　□ 敦輔王【敦平親王の子となる】
　□ 行勝［園城寺唐坊（實相院）］
　□ 寛意［仁和寺觀音院］
　
【逸事等】
● 萬壽元年（一〇二四）九月十七日、高陽院競馬の左念人 ──「念人／ねんにん」とは、「勝負事の時、競技者に対し応援または世話をした者」── となったが、關白藤原朝臣賴通は、敦貞親王の存在を知らず、聞いたことがない親王であるとして、念人の中から親王を除こうとした。大外記淸原眞人賴隆が敦貞親王の身元を述べたが、結局、敦貞親王が童親王であることを理由に、賴通は念人の中から敦貞親王を除いた。
◎ 『小右記』萬壽元年九月十七日壬寅「親王入念人事」
入夜、宰相【藤原資平】來云。關白【賴通】云。左念人敦貞親王、更不聞親王也。可摩弃者。一日仰大外記賴隆【淸原】今【令カ】注。親王有敦貞。問案内。申云。三條院親王（實小一条院親王）。仍書定文。乍驚召問。所申如初。能尋問。申云。若童親王歟元【云々歟】。
近日親王無出仕人。只不知。･････
◎ 『小右記』萬壽元年九月十八日壬寅「童親王入念人無便事」
念人童親王事含宰相【藤原資平】、即參關白【頼通】第。又賴隆眞人【淸原】兩度來。仰雜事。晩頭、宰相來云。關白云。念人童親王獨可無便。可削者。初不存親王由。依外記勘由【申歟】入定文也。可削失由可仰外記。
　
工事中 【文獻等】
● 『稿本三條天皇實録』七一一～七一五頁「皇孫敦貞親王」
●
● 告井幸男『摂関期貴族社会の研究』（塙書房、二〇〇五年三月） 三七頁・七四頁

　
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公開日時： 2013.06.17.
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