紀内親王


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『 親 王 ・ 諸 王 略 傳 』
　　紀 [紀③]

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○ 紀内親王　キ
　
【出自】
　桓武天皇の女子（第十五女）。
　
【母】
　藤原朝臣河子
　藤原朝臣大繼の女子。
　仲野親王、安勅内親王、大井内親王、紀内親王、善原内親王の母。
　
【經歴】
● 七九九年（延暦十八年）生。
※ 『稿本桓武天皇實録』三五八頁〔按〕
内親王、誕生年月明カナラズ、今薨年ニ據リ逆算ス、一代要記、後撰和歌集、親長筆本本朝皇胤紹運録、前田本帝王系圖、皇代記等紀内親王トシ、三代實録又諸本多ク紀内親王ニ作ル、本朝皇胤紹運録ハ多ク紀伊ニ作レドモ今姑ク紀ニ從フ、又三代實録ニ第十五女トアレドモソノ排行遽ニ定メ難シ、
● 天長元年（八二四）春、四品に敍される。
◎ 『日本三代實録』仁和二年六月廿九日丁丑晦
● 山城國葛野郡田邑郷に神應寺を創建。
◎ 『日本三代實録』仁和元年八月十三日乙丑
● 元慶九年（八八五）正月二十二日、四品から三品に昇敍。
◎ 『日本三代實録』仁和元年正月廿二日戊寅
左兵衞大尉正六位上在原朝臣棟梁、左衞門大尉正六位上良岑朝臣遠年並授從五位下。進四品紀内親王階加三品。授從五位上在原朝臣文子正五位下。
● 仁和元年（八八五）八月十三日、光孝天皇の勅により、紀内親王が創建した神應寺が定額（定額寺。官大寺・國分寺・國分尼寺に准ずる國家公認の私寺）となる。
◎ 『日本三代實録』仁和元年八月十三日乙丑
勅以山城國葛野郡田邑郷神應寺、預於定額。紀内親王創建此寺、付屬延暦寺僧報恩也。
● 仁和二年（八八六）六月二十九日、薨逝。時に三品。八十八歳。
◎ 『日本三代實録』仁和二年六月廿九日丁丑晦
是日、三品紀内親王薨。不任縁葬之所司。以喪家固辭。皇帝【光孝天皇】不視事三日。内親王者桓武天皇之第十五女也。母從四位下藤原朝臣河子、從四位上大繼之女。内親王與仲野親王同産也。天長元年春授四品。仁和之初進三品。薨時年八十八。
 　
【詠歌】
● 『後撰和歌集』十一「戀」三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　紀内親王三のみこイ
津の國の難波たゝまく惜み社すく藻焚く火の下に焦るれ
※ やまとうた 和歌
「紀内親王 千人万首」
　https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kii.html
　
【文獻等】
● 『稿本桓武天皇實録』三五八～三五九頁「皇女紀内親王」

　
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公開日時：2025.02.09.
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