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平朝臣良持（良茂）
平朝臣將門（相馬小次郞）等の父。
『將門記』には「良持」の他、「良茂」の表記もある。
「良將」は良持の誤記であろう。
國香の前名とされる「良望」も、良持（良茂）を指したものであろう。
鎭守府將軍
從五位下
田畠をめぐり、弟の良兼と對立。
延長九年（九三一）までに死去。
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『將門記略』
夫聞。彼將門者、天國押撥御宇柏原天皇五代之苗裔、三世高望王之孫也。其父陸奧鎭守府將軍平朝臣良持也、舍弟下總介平良兼朝臣、將門之伯父也。而良兼以去延長九年聊依女論、舅甥之中既相違云々。
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『今昔物語』第二十五「平將門發謀反被誅語第一」
今昔、朱雀院ノ御時ニ東國ニ平將門ト云フ兵有ケリ、此レハ柏原ノ天皇ノ御孫ニ高望王ト申ケル人ノ子ニ、鎭守府ノ將軍良持ト云ケル人ノ子也。･････ 初ハ將門ガ父良持ガ弟ニ下總介良兼ト云フ者有リ、･････
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『扶桑略記』天慶二年十一月廿一日
陸奧鎭守府將軍從五位下故平良持之男【イ三男】將門謀叛亂逆、率千餘人兵軍、討取於常陸國合戰。舍宅皆悉燒廻。蟄屋燒者迷烟不去。遁火出者驚矢還入。凡一國人物、一且燒滅矣。
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『帝王編年記』天慶二年十一月廿一日
平將門（一品式部卿葛原親王五代孫【ﾏﾏ】。鎭守府將軍良持男）謀反。先討取常陸國。武藏守【ﾏﾏ】興世王又以同意。八箇國反云々。
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平朝臣國香
もと「良望」とする説は、同時代史料からは確認できない。
国香を「鎮守府将軍」とするのは、「良望」すなわち良持の官職の竄入であろう。
常陸大掾
常陸國眞壁郡石田に居住。
承平五年（九三五）二月、平朝臣將門と合戰し、常陸國野本（眞壁郡か）の住人、源朝臣護の諸子と共に敗死。
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『歴代皇紀』所引『將門合戰状』
始伯父平良兼與將門合戰。次被語平眞樹、承平五年二月、與平國香幷源護合戰。
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『和漢合運圖拔萃』
承平五年二月二日、於常州石田館、常陸大掾平國香與相馬小次郞將門合戰、于時國香被討畢。
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『將門記』
･････ 以其四日始野本・石田・大串・取木等之宅迄至與力人々之小宅皆悉燒巡。･････ 就中貞盛進身於公、事發以前參上於花城、經廻之程、具由聞於京都。仍彼君案物情、貞盛寔與彼前大掾源護幷其諸子等皆同黨之者也。然而未躬與力、偏被編其縁坐。嚴父國香之舍宅皆悉殄滅、其身死去者。･････
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平朝臣良兼
平朝臣良持（平朝臣將門の父）の「舍弟」。
下總介
常陸國野本（眞壁郡か）の住人、源朝臣護の姻戚。
平朝臣良持の死後、延長九年（九三一）、「女論」により甥の平將門と對立。
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『將門記』
夫聞。彼將門者、天國押撥御宇柏原天皇五代之苗裔、三世高望王之孫也。其父陸奧鎭守府將軍平朝臣良持也、舍弟下總介平良兼朝臣、將門之伯父也。而良兼以去延長九年聊依女論、舅甥之中既相違云々。
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『今昔物語』第二十五「平將門發謀反被誅語第一」
今昔、朱雀院ノ御時ニ東國ニ平將門ト云フ兵有ケリ、此レハ柏原ノ天皇ノ御孫ニ高望王ト申ケル人ノ子ニ、鎭守府ノ將軍良持ト云ケル人ノ子也。･････ 初ハ將門ガ父良持ガ弟ニ下總介良兼ト云フ者有リ、･････
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『將門記』
而間介良兼調兵張陣、承平六年六月廿六日指常陸國、如雲涌出上下之國（言上總・下總也）。･････ 以其明日【二十七日】早朝、着於同國水守營所。斯鷄鳴、良正參向、述不審。其次貞盛依有疇昔之志、對面於彼介。･････ 爰將門依在機急、爲見實否、只率百餘騎、以同年十月【六月歟】廿六日打向於下毛野國之堺。･････ 將門未到先寄歩兵、畧令合戰、且射取人馬八十餘人也。彼介【良兼】大驚怖、皆挽楯、逃還。･････
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『將門記』
･････ 件介良兼不忘本意之怨、尚欲遂會嵆之心。頃年所構兵革其勢殊自常。便以[承平七年]八月六日、圍來於常陸・下總兩國之堺子飼之渡也。其日儀式、請靈像而張於陣前（言靈像者、故上總介高茂王形幷故陸奧將軍平良茂形也）。整精兵而襲攻將門。其日明神有忿、慥非行事。隨兵少上、用意皆下、只負楯還。爰彼介燒掃下總國豐田郡栗栖院・常羽御厩及百姓舍宅。･････
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『將門記』
將門 ･････ 以同月十七日、同郡下大方鄉堀越渡固陣相待。件敵叶期、如雲立出、如電響致。其日將門急勞脚病、毎事朦朦。未幾合戰、件類如算打散。所遺民家爲仇皆悉燒亡。･････ 経一兩日間、件敵以十八日各分散、以十九日敵介取幸嶋道渡於上總國。
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承平七年（九三七）十一月五日、朝廷から、平良兼、源護、平貞盛等を追捕すべき官符が、武藏・安房・上總・常陸・下野等の國に下るが、諸國の國司は履行せず。
承平七年（九三七）十二月十四日、石井の營所に平將門を夜襲するが、大敗。
天慶二年（九三九）六月、病により出家、ついで卒去。
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『將門記』
爰將門之私君太政大臣家【忠平】、可擧實否之由御敎書、以天慶二年三月廿五日寄於中宮少進多治眞人助眞所被下之状、同月廿八日到來云々。･････ 而間介良兼朝臣以六月上旬、乍臥病床、剃除鬢髪、卒去已了。自爾之後、更无殊事。
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平朝臣良正
高望の「妾」の子。
『將門記』には「良正」の他、「良將」の表記もある。
高望の子 良茂の子、とする説は誤り。
常陸國筑波郡水守を營所とする。
常陸國野本（眞壁郡か）の住人、源朝臣護の姻戚。
平將門に諸子を討たれた源朝臣護のために奔走。これを知った將門と、承平五年（九三五）十月二十一日、常陸國新治郡川曲村で合戰し、敗北。
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『將門記』
故上總介高望王之妾子平良正、亦將門次之伯父也。而介良兼朝臣與良正兄弟之上、乍兩彼常陸前掾源護之因縁也。護常嘆息子扶・隆・繁等爲將門被害之由。然而介良兼居於上總國、未執此事。良正獨追慕因縁、如車舞廻於常陸地。･････ 將門傳聞此言、以承平五年十月廿一日忽向彼國新治郡川曲村。則良將揚聲、如案討合、棄命各合戦。而將門有運、既勝。良正無運、遂負也。
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『將門記』
而間介良兼調兵張陣、承平六年六月廿六日指常陸國、如雲涌出上下之國（言上總・下總也）。･････ 以其明日【二十七日】早朝、着於同國水守營所。斯鷄鳴、良正參向、述不審。其次貞盛依有疇昔之志、對面於彼介。･････ 爰將門依在機急、爲見實否、只率百餘騎、以同年十月【六月歟】廿六日打向於下毛野國之堺。･････ 將門未到先寄歩兵、畧令合戰、且射取人馬八十餘人也。彼介【良兼】大驚怖、皆挽楯、逃還。･････
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平朝臣良文
「村岳ノ五郞（村岡五郞）」
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『今昔物語』卷二十五
今昔、東國ニ源充、平良文卜云二人ノ兵有ケリ。充ガ字ヲバ□田【箕田】ノ源二ト云。良文ガ字ヲバ村岳ノ五郞トゾ云ケル。此ノ二人、兵ノ道ヲ挑ケル程ニ、互ニ仲惡シク成ニケリ。･････
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『櫟木文書』久安二年八月十日付「正六位上平朝臣常胤寄進状」（『平安遺文』第二五八六號文書）
永附屬進先祖相傳領地壹處事
在下總國管相馬郡者
四至（東限逆川口笠貫江 南限小野上大路 西限下川邊境幷木埼廻谷 北限衣川常陸國堺）
右當郡者、是元平良文朝臣所領。其男經明、其男忠經【忠常】、其男經政、其男經長、其男經兼、其男常重、而經兼五良【五郞】弟常晴相承之當初、爲國役不輸之地。令進退領掌之時、立常重於養子。大治元年六月所讓與彼郡也、隨即可令知行[郡]務之由。同年十月賜國判之後、常重依内心之祈念、大治年[中]之比、貢進太神宮御領之日、相副調度文書等、永令附屬假名荒木田正富先畢。於地主職者、常重男常胤、保延元年二月傳領、其後國司藤原朝臣親通在任之時、號有公田官物未進、同二年七月十五日召籠常重身、經旬月之後、勘負准白布七佰弐拾陸段弐丈伍尺伍寸、以庁目代散位紀朝臣季經同年十一月十三日押書、相馬・立花兩郷之新券、恣責取署判、已企牢籠之刻、源義朝就于件常時男常澄之浮言、自常重之手、康治二年雖責取壓状之文、恐神威、永可爲太神宮御厨之由。天養二年令進避文之上、常胤以上品八丈絹参拾疋、下品七拾疋、縫衣拾弐領、砂金參拾弐兩、藍摺布上品參拾段、中品伍拾段、上馬弐疋、鞍置駄參拾疋、依進濟於國庫、以常胤爲相馬郡司、可令知行郡務之旨、去四月之比、國判早畢、其中一紙先券之内、被拘留立花郷壹處許之故、所不被返與件新券也。雖然、至于相馬地者、且被裁免畢。然則任親父常重契状、於田畠所當官物者、致供祭上分之勤、令進退當時領主正富給、至加地子并下司職者、令相傳常胤子孫、預所職者、可被令相承本宮御牒使請尚子孫矣。仍爲後代、重新立券文、謹解。
久安二年八月十日 御厨下司正六位上平朝臣常胤（花押）
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『櫟木文書』永暦二年二月廿七日付下總權介平朝臣常胤解（『平安遺文』第三一三九號文書）
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