明義門院 諦子内親王


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『 親 王 ・ 諸 王 略 傳 』
　　諦 ［諦子］

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○ 諦子内親王
　
　明義門院
　准三宮
　
【出自】
　順德院の女子。
　陰明門院（藤原朝臣麗子。藤原朝臣賴實［大炊御門］の女子。土御門天皇の中宮）の猶子。
　
【母】
　藤原朝臣立子
　東一條院
　中宮
　藤原朝臣良經の女子。
　
【經歴】
*諦子女王
● 建保五年（一二一七）三月二十二日生。
◎ 『仁和寺日次記』建保五年三月廿二日己亥
申刻、中宮於一條室町御所御産（女王）。
◎ 『御産御祈記』建保五年三月廿二日
申刻、御産姫宮（明義門院誕生也）。
◎ 『代々御産御祈目録』「東一條院（順德院后。後京極攝政良經女）」
建保五年（于時中宮一條殿。承久四ー三ー廿五日院號）
　三月廿二日御産平安皇女（明義門院）
◎ 『五壇法記』建保五年三月廿二日
御産平安。但依爲姫宮御祈等不被行賞歟。戌時許行結願時、御加持無之。各阿闍梨許參南殿、被行御布施一重一裹、助修取布施賜從僧畢。
諦子内親王
● 建保七年（一二一九）正月二十三日、内親王宣下。
◎ 『仁和寺日次記』建保七年正月廿三日庚寅
今上女王（諦子。御母中宮）爲内親王。
● 陰明門院の猶子となり、四條坊城殿に起居。
● 嘉禎二年（一二三六）十二月七日、准三宮宣下。
◎ 『百錬抄』嘉禎二年十二月七日庚寅
佐渡院姫宮諦子内親王准后宣旨云々。
◎ 『女院小傳』明義門院（端子【諦子】）
嘉禎二十二七准三宮（廿五）
明義門院 諦子内親王
● 嘉禎二年（一二三六）十二月二十一日、明義門院と院號を定められる。院號定は陰明門院が沙汰した。
◎ 『百錬抄』嘉禎二年十二月廿一日甲辰
諦子内親王院號、爲明義門院。
◎ 『大外記師光記』嘉禎二年十二月廿一日甲辰
是日院號定也。先有官奏。事訖、左大臣【兼經】、權大納言藤原家良、家嗣、權中納言源通忠、藤原資賴、同定雅、前參議平經高、參議菅原爲長、藤原親俊、平有親、藤原爲經等卿、參著仗座。職事定嗣參軾、仰可被定申之由歟。人々次第定申之。一同定申後、大臣召大外記中原師兼、仰云。『以無品諦子内親王爲明義門院。年官年爵如舊』。今度判官代、主典代事不被仰之。依宣陽門院御時例。左中辨藤原信盛朝臣、仰封戸事歟。
◎ 德川圀順氏本『院號定部類記』九之十所引『番記』嘉禎二年十二月廿一日甲辰
明義門院（諦子。佐渡院御母（【傍注】女歟）。母儀東一條院。嘉禎二年十二月廿一日院號（元准后））
院號定也（明義門院（佐渡院女宮）。陰明門院御沙汰云々。御母東一条院）。左大臣（兼經公）、右大臣（良實公）、權大納言藤原家良卿、右大將藤原家嗣卿、土御門中納言源通忠卿、二條新中納言藤原資賴卿、花山院中納言藤原定雅卿、二位前平宰相經高卿、菅宰相爲長卿、平宰相有親卿、藤宰相親俊卿、、左大辨宰相爲經卿。奉行職事藏人佐藤原高嗣也。大外記中原師兼、淸原賴尚、少外記磯部行宣、左少史中原成村、右少史同宗繼。
◎ 德川圀順氏本『院號定部類記』九之十所引『外記』嘉禎二年十二月廿一日甲辰
院號定也。予【大外記中原師兼】依召先參殿下。･････ 次參陣。･････ 次左大臣殿【兼經】、權大納言藤家良卿、家嗣卿、權中納言通忠卿、資賴卿、定雅卿、前宰相經高卿、參議爲長卿、親俊卿、有親卿、爲經等卿等參加仗座。有院號定。職事高嗣、參義仰被定申之由。人々次第定申之。一同定申之後、上卿召予【中原師兼】仰云。『以無品諦子内親王爲明義門院。年官年爵如舊』。予稱唯退出。今度判官・主典代事不被仰。依宣陽門院御時例云々。次召左中辨藤原信盛朝臣、仰封戸事。人々退出、或又被參本所。
◎ 『皇代暦』四「四條天皇」
院宮
明義門院（諦子内親王）　順德院第一皇女。母東一條院。嘉禎二十二廿一院號。
● 寛元元年（一二四三）三月二十九日、俄かに崩御。二十七歳。
◎ 『百錬抄』寛元々年三月廿九日乙巳
明義門院（【傍注】諦子）頓崩御云々。世以爲奇。
◎ 『園太暦』貞和二年五月二日
廢朝事。･････ 相尋先例可入之旨、先日有勅定。昨日爲朔日之間不持參。今日付女房進上之。其案寫留。續之。
　　依永陽門院【久子内親王】御事、可有廢朝否例。
･････
明義門院（順德院御娘）寛元々年三月廿九日御事。于時帝後嵯峨院。
　今度一向無沙汰歟。
◎ 『古今著聞集』十三「哀傷」
明義門院、寛元元年三月廿九日にかくれさせ給ひにしを、侍從隆祐、備後國にてきゝ參らせて、よみてをくり侍りし、
　袖の上に 彌生の雨の はれやらて かけとたのみし 花やこひしき
この歌を、はるかに程へてもちて來られしに、その年の九月に又陰明門院うせさせおはしましゝかは、醍醐殿に御葬家にこもり侍しに、かの使くだるとて、返事こひ侍しかは、人にかゝせてつかはし侍し。
　おもひやれ 彌生の雨も はれやらて またしくれそふ 秋の山里
◎ 『女院號部類記』
テイ
諦子
明義門院（佐渡院第一御女。母東一條院（後京極攝政女））。建保五年三月廿三【二歟】日誕生。同七年正月廿三日内親王。嘉禎二年[十二月]七日准三宮。同廿一日、明義門院ト申。寛元々年三月廿九日御事有（年二十七（【傍注】二イ））。
◎ 前田本『帝皇系圖』附載『女院次第』「明義」
端子【諦子】。順德第一女。母後京極攝政女（東一條院）。建保七正廿三爲内親王（八【三歳】）。嘉禎二十二七准三宮（廿五【二十歳】）。廿一院號。寛元々三廿九日御事（年廿七）。
　
【猶子】
　藤原朝臣道家［九條］の女子
◎ 『玉蘂』嘉禎三年四月十日
小女依爲明義門院【諦子内親王】御猶子儀、始參彼院。再密之儀也。･････
　
【逸事】
● 陰明門院は、猶子としていた明義門院（諦子）の急死により、悲歎の餘り食事が進まず、半年を經ずして崩御した。
◎ 『經光卿記抄』寛元々年九月十八日（辛酉）
後聞。今日陰明門院崩御云々。･････ 去春明義門院（年來御猶子）俄崩御之後、令悲歎此御事給之間、綺膳乖和宿旁相侵歟。
● 明義門院（諦子）の崩御日、大學頭藤原朝臣忠倫も急死した。
◎ 『百錬抄』寛元々年三月廿九日乙巳
大學頭忠倫朝臣同頓死云々。
● 明義門院の御所、四條坊城第は、仁助親王（土御門院の男子）が傳領した。
◎ 『岡屋關白記』建長二年【一二五〇】五月十七日
傳聞。於四條坊城第（此亭元明義門院【諦子内親王】御所。仁助親王僧坊。頗無便宜。雖然其所闕如之間如此。其上法親王不被常任【住】。只被傳領許也）有饗事【源具實任大臣大饗】。其儀如常云々。
　
【文獻等】
● 『稿本順德天皇實録』五一六～五一九頁「皇女諦子内親王」
● 『大日本史料』第五編之十一、一九～二一頁、嘉禎二年十二月二十一日（甲辰）「准后諦子内親王ノ院號ヲ定メテ、明義門院ト爲ス、」
● 『大日本史料』第五編之十六、二一二～二一四頁、寛元元年三月二十九日（乙巳）「明義門院崩御アラセラル、」

　
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公開日時： 2021.12.14.
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