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寛文十一年（一六七一）八月二十三日、御七夜。
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『无上法院殿御日記』寛文十一年八月廿三日辛丑
はるゝ。夕だち少かみなる。若君御七夜にて、御しう義に、御うぶめし一かさね（ねもじの御あはせ、ふくさの御ふく）、いぬ一つい、まいらする。中納言すけどのへ、さかな一折まいらす。
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女御に男子の出産がなかったため、延寶の初め頃、繼體の治定あり。但し、女御に男子が生まれた時には、俗親王として宮家を建てることと約された。
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『基煕公記』天和二年三月廿六日
抑一宮、小倉大納言息女中納言典侍局之腹也云々。先年、後水尾院新廣義門院有愁召思事、仍余奉諫主上、中納言典侍暫令退里亭了。其時主上無本位被思召之間、於一宮可爲必御繼體間、若後水尾院新廣義門院以他宮雖可被定、必此一宮之御事、汝可爲御繼體旨、雖幾度抛身命可申沙汰之由、返々蒙仰。依是于今存此旨云々。
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『基煕公記』延寶九年九月十八日
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延寶五年（一六七七）閏十二月八日、深曾木。
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『御ゆとのゝ上の日記』延寶五年閏十二月八日
はるゝ。一の宮の御方、女御の御方の御さとの御所にて御ふかそぎあそばさるゝ。御びんおや、くわんぱく殿。御ふかそぎの後、女御の御かた御つぼねより御同道あそばされ候て、一のみやの御かたなる。こわく御、御まな、御樽まいる。三こんまいる。中納言のすけ殿より五荷五しゆまいる。中納言のすけ殿、三せきの折がみ。御ち【御乳】へも五せきのおりがみ下さるゝ。めでたし々々々々。
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靈元院には寵愛が松木宗條の女子（おいは。藤原朝臣宗子。のちの敬法門院）に移り、その所生の五宮（のちの東山院）が繼體として治定され、一宮は大覺寺に入寺・得度することと定められる。
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延寶九年（一六八一）四月二十六日、大覺寺への入寺の御禮の參内の際、入寺を辭退し、靈元院の逆鱗に觸れる。時に十一歳。
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『基量卿記』延寶九年五月朔日
傳聞。大覺寺宮御弟子之義、一宮（當今第一宮。中納言典侍局腹也。小倉大納言實起卿息女也）可被遣由被仰出。彼門主畏存候由。去廿六日參内被申御禮[之]處、一宮御出家之義非御本意勿論、繼體之義雖無御所存、法中之義御難儀之由、達而被辭申云々。依之主上逆鱗以外云々。一宮御年十一歳也。此御願望之義、定而小倉大納言被申上歟之由風聞也。未落居如何云々。
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『稿本靈元天皇實録』「皇子濟深親王」一〇八四頁「延寶九年五月一日、御内意ニ依リ、大覺寺宮性眞親王ノ資ト爲スベキ旨、仰セ出サレシガ、辭シ奉ル、」の〔按〕に、
本條ノ日次、明カナラズ、今姑ク基量卿記記載ノ日次ニ掲グ、
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延寶九年（一六八一）九月十四日から十七日まで二・三度、靈元院は阿野中納言季信を小倉大納言實起亭の一宮のもとに遣わして參内するよう命じたが、一宮はこれに應じず。そのため、十七日夜、菊亭右大將公規・三條大納言實通・甘露寺中納言方長ら百十人が小倉大納言亭に遣わされ、一宮は連行されて飛鳥井左中將雅量の舟橋第に移され、幽閉される。
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『基量卿記』延寶九年九月十七日
晴。入夜傳聞。昨日・今日兩三度、於阿野黄門（【傍注】季信）被遣小倉亭、一宮可有御參内由度々雖被仰出、無御參之間、人々參入、被出奉了云々。近頃之騒動也。菊亭右大將（【傍注】公規）、三條亞相（【傍注】實通）、甘露黄門（【傍注】方長）等參。其外取次三人、鳥飼侍廿人、仕丁廿人以上、人數六十人參。石川信乃守騎馬ニ而爲御迎手者五十斗參云々。則飛鳥井中將（【傍注】雅量）、舟橋屋敷へ被奉入。警固武士警衞云々。如何。此後之義恐入事也。
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『基量卿記』延寶九年九月十八日
晴。今日、阿野黄門（【傍注】季信）父子、被仰出閉門（昨夜義依御使不調法也）。小倉父子（【傍注】實起・公連）、籔父子（【傍注】嗣孝・嗣章）、中園父子（【傍注】季定・季親）、竹淵、柳津、高岡（【傍注】季起）等、一宮依外戚、各蟄居云々。
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『基煕公記』延寶九年九月十八日戊辰
或者來云。昨夜一宮奉移他所云々。一昨夜、阿野中納言、依仰參一宮御方（小倉中納言亭）、可奉移他所之由仰之旨種々申入。又伯父藪前大納言、中園前宰相等、雖諫申、落涙令愁傷給之間、歸參内申入此由之處、先御延引云々。而昨夜奉移他所條、不知其由。驚入者也。抑此宮之事、小倉大納言息女中納言典侍之腹也。此宮降誕之比、此女中御寵愛傍若無人也。而嫉妬深之間、惡事等少々出來。依之予種々奉諫主上。令退出里亭也（小倉大納言亭）。産一宮之後、先蟄居里亭。而新廣義門院崩後、有沙汰、時々參内。先是新廣義門院（後水尾院天皇女御）未崩御之時、先所司代永井伊賀守下向關東之時、女御姫宮計也。若宮不令降誕給之時者、繼帝之事如何、内勅之趣承知之旨申入云々（于時武家傳奏花山院大納言・千種大納言等也）。此時、被仰合後水尾院・新廣義門院、若女御若宮無降誕者、一宮可爲繼體。女御若宮令降誕給者、此一宮俗親王可有建立之由、被願思召旨、有御返事。即以書付被仰出云々。此後、中納言典侍猶在里亭、女中人數不足之間、松木前大納言宗條卿女（おいはと云也）被召出、聊有座次論。故おいはと稱して典侍にもなされず、朝夕陪膳等奉仕。甚有寵、若宮・姫宮有誕生。依之中納言典侍寵愛被思召忘、以此腹宮可爲繼體之由、更被思召寄歟。仍得此時、花山院前大納言（定誠）伺天氣、先以二宮（愛宕三位女之腹也）定仁和寺令入寺。又其後、種々以才覺、一宮之事、大覺寺宮附弟被申請之由披露世間。雖然大覺寺宮不被庶幾、猶雖有異議、種々以利口令責伏。當年春下向關東之時、所司代戸田越前守同下向之間、内々申入武家。一宮之事、可爲大覺寺宮附弟之由、從關東被定之旨披露之。其上小倉前大納言に以一宮大覺寺[宮]附弟之事可望申由言含之處、一向不承諾、云『此事不可在綸言。於一宮者、既以前武家へ被仰遣子細承了。依之此宮御出家之事、曾以不申勸。卒爾此事出來者、縱雖被斬罪、難申御請。其上一宮、先日御出家之事被聞風聞、愁傷甚、食事一向不被食、只今就彼是難申御請。又既此宮之事、先年關東迄可爲繼體旨被仰遣。今又可爲御出家之事、不審千萬也。於小倉一向此儀不得其意』由申切了。其後之事、逆鱗以外也云々。而今如此一宮被移他所條、不知其故。是偏侫臣之所爲歟云々。近頃非道之御政務歟。愚臣不知是非。但小倉大納言者、日頃學儒、不尊崇三寶。故如此事出來歟。且又於繼體事大非所及人力。唯可在神慮者也。末世之體、可哀可傷。不可説云々。
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『基煕公記』延寶九年九月十九日己巳
天雨下。左大辨宰相來、有談事。密語云。一昨日、一宮御迎ニ右大將【菊亭公規】・三條大納言【實通】・甘露寺中納言【方長】等行向小倉亭、推取一宮。御乳母兩人之不候御供。小倉亞相息男宰相欲供奉之處、押留云々。一宮愁傷言語道斷。三條亞相等拭涙之由語之云々。且又去十四日、爲御迎阿野黄門【季信】含仰行向之處、宮愁傷之躰難忍見之由奏之故、重而被遣三人之所、無難奉取。依此儀、阿野中納言時宜不快、閉門戸可蟄居由、被仰出云々。於小倉父子は大概可爲流罪云々。凡如此事併朝廷之衰微、歎息之外無他而已。
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天和二年（一六八二）三月二十五日、「五宮」が儲君に治定され、「一宮」は皇位繼承の望みを絶たれる。
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『无上法院殿御日記』天和二年三月廿五日癸酉
雨ふる。ひる過程に御用の事有よしにて、左府・大納言もめし【召】にまいり參内也。その事は、今度でんそう【傳奏】江戸下かうの時分、御けいたい【繼體】の事仰つかはさるる、其御返事にいづれにてもゑいりよ【叡慮】次第と申來る。けふ攝家中へ仰出さるゝ也。又女御立后の事をも御さた有べきのよしも御返事のよし也。いづれも々々々々めでたき事也。されども一の宮には、あらぬ御もてなしにて、かやうに成行世はいかが、とかくせひ【是非】はいふにたらず、左府・大納言もおつゝけ退出、くれかた【暮れ方】のさた、五の宮にさだまりまいらせらるゝと也。誠に々々世はさだめなき事。さぞ一の宮がたにはいかゞあらんとおもふにも、あはれにそゞろに涙をちぬ。これもくはんぱく【關白】のおもひよらぬかたへまいる。をなじ事なり。世はかく有べきゆへとおもへば、何事も々々々じゆんにゆかぬ事おそろし々々々々。
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その後、大覺寺からも一宮の入室を固辭。
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『基量卿記』天和二年八月十六日
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『基量卿記』天和二年十月廿八日
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天和二年（一六八二）八月十六日、勸修寺に入室。
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『基量卿記』天和二年八月十六日
今日一宮（中納言典侍腹）勸修寺門跡へ御入室云々。内々大覺寺宮へ被仰約之處、有子細大門固辭之間如此云々。
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『堯恕親王日記』天和二年八月十七日
傳聞。昨十六日、爲勅定、俄ニ一ノ宮ヲ勸修寺門跡ヘ入室云々。勸修寺門跡遷化未足卅日、然處ニ俄ニ被催之。何事ヲ人不知其所以。一ノ宮ハ小倉大納言實起卿息女中納言典侍腹。
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『基煕公記』天和二年八月廿二日丁酉
傳聞。當今一宮（小倉亞相息女腹。去年以來種々及沙汰事也）勸修寺門跡可爲相續之由、先日有勅定。去十六日、右大將・甘露寺中納言・難波宰相等、參彼宮御里スカシ出シ。奉行勸修寺。即慈尊院前大僧正之外、彼門跡之坊官等、爲參向云々。而此一宮、日來出家之事爲難儀由被思極。依此事、去年外祖大納言及遠島沙汰了。猶一宮有鬱憤、出家之事一向不可叶之由、種々被涕泣。所詮存命無益之間、此度全不食飯、有自殺之思召由、被密語。而去十六日以後、水食一向不被用云々。聞者無不悲歎者。此事去年委細記之。雖然事參差難記盡。抑叡慮之所起、只五宮可爲儲君旨思召極之間、如此事出來。都鄙嘲哢滿耳。嗚呼々々一宮行末可爲何樣哉。可憐可愁。
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天和二年（一六八二）十月二十八日、得度。十二歳。戒師は慈尊院大僧正永愿。
悲歎する宮が出家を拒むのを、僧たちが宮の手足をおさえ、強引に落髪させた。
同日、勸修寺長吏に補される。
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『基量卿記』天和二年十月廿八日
晴。早天向勸修寺。今日門主得渡【度】也。當今一宮、御母中納言典侍（小倉大納言實起卿女）、依御生質不宜、從去々年大學【覺】寺ヘ御弟子ニ可被遣之由仰之處、彼宮出家之義【儀】無御素意之由、達而固辭之間、小倉大納言并中納言典侍等同前ニ辭申。時宜叡慮不快之由、去年小倉父子三人流罪、并親族之輩閉門了。然處大學【覺】寺殿より、彼宮之義申請事、迷惑之由、固辭被申之間、今度勸門死去、件寺無住之由、彼宮ヲ被遣了。慈尊院僧正勸門院家也。依之諸事令申沙汰。予彼僧正有内縁之間、可參訪由、兼日蒙仰之間、參向了。宮親王宣下去廿五日有之云々。
着座公卿
前源大納言通茂【イ義】卿、日野中納言資茂卿、風早前宰相實種卿。刻限已【イ被】催之所、宮兎角無御同心之間、悲歎以外也。種々、淸閑寺大納言（【傍注】煕房）、萬里小路、予等、雖令申無御覺悟之間、戒師慈尊院僧正被申云。『如此之御樣躰、中々於本堂難沙汰之間、於御居間可遂行也。先年仁和寺殿覺樹院殿（後水尾院御兄也）得度之時、如此之流例有之。如何可有哉』之旨也。各申【イ答】云。『於例者可然。若今日御落飾【イ髪】無之時者、彌以父帝逆鱗可爲以外也。如形被遂行哉』之旨申之間、衆僧等各參會、御手足を取、無理に令落髪了。誠先代未聞之事。不可説之事共也。及暮各退了。勅使梅溪中將（五荷五種）被遣。本院使堀川宰相（【傍注】則康）、新院使櫛笥中將（【傍注】隆賀）等各參。無御對面也。
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逸見仲三郎「延寶事變考」九三～九四頁所引の『基量卿記』は天和二年八月廿八日條と作す。
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『御ゆとのゝ上の日記』天和二年十月廿八日
はるゝ。一のみやの御かた御得度にて五荷五合まいる。御使梅たに中將。
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『兼輝公記』天和二年十月廿八日
天晴。今日勸修寺門跡（當今第一宮）得度。着座、中院前大納言・日野中納言・風早前宰相云々。以使者送馬・太刀賀之。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
天和二年十月廿八日、御得度。御法名濟深（御年十二歳。御戒師慈尊院前法務大僧正永愿）。
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貞享五年（一六八八）二月二日、東大寺別當に補される。
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『東大寺別當次第』第一百八十「入道親王濟深 勸修寺」
自貞享五年至元祿十四年寺務十五年。
靈元院第一皇子
貞享五年二月二日
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
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『稿本靈元天皇實録』「皇子濟深親王」一〇八九頁「貞享五年二月二日、東大寺別當ニ補セラル、」の〔按〕に、
とある。
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貞享五年（一六八八）三月四日、二品に敍される。十八歳。
翌日、御禮のために仙洞御所へ參上した親王に、靈元院は對面しなかった。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
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『院中番衆所日記』貞享五年三月五日
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元祿五年（一六九二）二月七日までに一身阿闍梨に補される。
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『御湯殿上日記』元祿五年二月七日
はるゝ。くわんしゆ寺【勸修寺】の宮より一身阿沙利【阿闍梨】勅許の御れいい、こんぶ一箱まいる。
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『季連宿禰記』元祿五年二月九日己丑
晴。自中御門藏人右少辨宣顯、一身阿闍梨【濟深親王】下知到來。
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『季連宿禰記』元祿五年二月十一日辛卯
晴。自勸修寺宮【濟深親王】有御使（坊官）。一身阿闍梨宣旨早令成獻被悦思食云々。宣旨祿百疋被下之。
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元祿五年（一六九二）二月十三日、密藏院權僧正光曉より傳法灌頂を受ける。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
元祿五年二月十三日、受傳法灌頂於密藏院權僧正光曉。
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『院中番衆所日記』元祿五年二月十三日
晴。今日勸修寺宮被修灌頂。爲御祝義被遣之。
御目録
黄金 十兩
昆布 一箱
岩茸 一箱
御樽 一箱
右御使隆安朝臣。
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『堯恕親王日記』元祿五年二月十三日
今日勸修寺宮入壇灌頂之由傳聞之間、使者遣之。角樽（一ヶ）、昆布（一箱）遣之。
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元祿五年（一六九二）三月八日、東大寺大佛開眼萬僧供養の導師を勤める。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
元祿五年三月八日、東大寺大佛開眼萬僧供養導師被行之。
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元祿十年（一六九七）正月十三日、勸修寺長吏坊を造營（明正院の御舊殿を移築）。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
元祿十年正月十三日、長吏坊改造營（以明正院御舊殿經營之。依綱吉公嚴命也）。
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元祿十年（一六九七）頃より、癇症を患う。
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『基長卿記』元祿十四年十二月二日甲寅
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『基量卿記』元祿十四年十二月二日甲寅
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元祿十四年（一七〇一）十一月二十九日、死去。
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『永貞卿記』元祿十四年十二月四日
勸修寺門跡先月廿九日遷化。雖然自朔至三日御神事、仍今日達上聞。廢朝三ヶ日云々。
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元祿十四年（一七〇一）十二月二日、「薨逝」（發喪）。三十一歳。
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『基量卿記』元祿十四年十二月二日甲寅
今曉、勸修寺宮二品濟深親王薨（卅二歳歟）。上皇第一宮也。疱瘡云々。未發之間、癇症持病發起、則絶氣云々。明日依平野社正遷宮、宮中御神事、不及奏聞由也。前殿下賀祝御存知無之分ニ被遂行了。
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『基長卿記』元祿十四年十二月二日甲寅
晴。或人云。勸修寺宮此間病腦【惱】（疱瘡云々。可尋）、今日已絶氣之由、一兩日之病腦故、曾而御所中無沙汰。又或云。先今日・明日省中御神齋之間、不及奏聞云々。上皇第一宮。御年卅一歳。四・五年此方御持病故、不令參内・院給。又依急病薨去。誠以可惜可悲々々。
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『院中番衆所日記』元祿十四年十二月二日
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『大江俊光記』元祿十四年十二月二日
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『御湯殿上日記』元祿十四年十二月四日
はるゝ。くわんしゆ寺の宮がうぜられ、三日はいちやうなり。
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『勸修寺長吏系傳略』「第二十九長吏入道親王二品濟深」
元祿十四年十二月二日薨。御年三十一歳。号即身院（在任二十年）。
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『稿本靈元天皇實録』「皇子濟深親王」一〇九三頁「元祿十四年十一月二十九日、薨ズ、年三十一、」の〔按〕に、
本條ノ日次ニ就キ諸書多ク十二月二日ト爲セドモ、今姑ク永貞卿記ノ記載ニ從ヒ掲記ス、
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元祿十四年（一七〇一）十二月十七日、葬送。
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『妙法院日次記』元祿十四年十二月十七日
一、今曉酉刻勸修寺宮御葬送也。仍テ爲諷經（松源坊）被遣云々。
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