佐時王 / 源佐時


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『 親 王 ・ 諸 王 略 傳 』
　　佐 [佐時]

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□ 佐時王
　
　のち源朝臣佐時
　
【出自】
　陽成天皇二世王
　元良親王の男子。
　
【母】
　藤原朝臣邦隆の女子
◎ 『一代要記』丙集「陽成天皇」皇子「元良親王」の子「佐時王」
中務大輔從四上
母神祇伯藤邦隆女
　
【經歴】
佐時王
● 二世王として從四位下に敍されたと考えられる。
● 天慶四年（九四一）十月十五日、先帝醍醐天皇女御源朝臣和子家で流産の穢があった折に和子朝臣家に宿泊していた佐時王が祖父 陽成院のもとに參じた際、その穢を知らなかった源朝臣淸蔭も陽成院のもとに參じ、同月二十九日に内裏に參入したため、觸穢。
◎ 『本朝世紀』天慶四年十一月一日丁巳
･････ 件穢、以去月十五日、先帝【醍醐院】女御源利和子朝臣家有傷胎之穢。于時兵部卿親王【元良親王】男佐時王投宿彼家之後、參陽成院。彼日、件清蔭卿、不知此由、同參彼院。即去月廿九日參入内裏。又左少史船實平同參彼院而日來随事。又春日祭使左近衛少將源朝臣爲善同參彼院。其穢可滿今月十四日也。･････
● 中務少輔となる。
● 大舍人頭となる。
源朝臣佐時
● 源朝臣を賜姓される。
● 安和二年（九六九）九月二十三日、圓融院即位式の右侍從を勤仕。時に散位從四位下。
◎ 『天祚禮祀職掌録』
圓融院　安和二年九月廿三日即位。
　･････
　右侍從四品上野太守盛明親王
　　　　散位從四位下源佐時
　　　　少納言代肥前權守從五位下在原陳俊
　･････
※ 『稿本陽成天皇實録』二七二頁〔按〕
天祚禮祀職掌録ニ據レバ、安和二年圓融天皇即位ノ時、汪ハ既ニ臣籍ニ在リシガ如シ、サレド本朝皇胤紹運録、尊卑分脈、一代要記等ニ賜姓ノ記載ナキヲ以テ、賜姓ノコト姑ク疑ヲ存ス、マタ同書ニ從四位下トアリ、本朝皇胤紹運録ニ從五位上トアルモ一代要記等ノ記載ニ從フ、
● 從四位上に敍される。
◎ 少外記平田家本『本朝皇胤紹運録』「元良親王」の子
│
│　中務少輔　従四位上大舎人頭  
├佐 明 王　時
│母神祇伯藤邦隆女
│
※ 或いは佐時は王に復籍した可能性もある。
　
【備考】
● 備後國奴可郡東庄久代（広島県比婆郡東城町久代）の佐川家（舊稱佐町家）の始祖は、「佐時王より偏諱を賜わり佐町氏を称」したという。
◎ 細井鵲郎(ほそい じゃくろう)『戦国尼子実記』（東京都足立区千住河原町、戦国尼子実記刊行会、昭和四十五年（一九七〇）六月）
七五頁（尼子勝久の遺児、守久・信久兄弟を保護して養子とした佐町徳兵衛について）
佐町氏の遠祖は、陽成天皇（第五十七代）の元慶七年（八八三）に、神祇伯しんぎのおさ藤原邦隆の末子隆英たかひでが一家を創立するに当り、元良親王（陽成天皇王子）の御子佐時すけとき王より、その偏諱を授けられ「佐町すけまちの氏姓を賜わった。爾来子孫代々佐町すけまちを称したが、いつの代からか「スケマチ」を「サマチ」と訓読するようになった。佐時王の生母は元良親王の妃で、佐町氏を興した隆英の姉である。
　･････
一六四頁「尼子勝久孫佐川氏（佐町氏）略系図」より「佐川氏祖／佐町隆英」
神祇伯藤原邦隆の末子、元慶七年佐時王より偏諱を賜わり佐町氏を称す、元良親王妃の弟。
　
【文獻等】
● 『稿本陽成天皇實録』二七二頁「皇孫佐時王」

　
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更新日時：2025.02.22.
公開日時：2025.02.20.
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